「イニエスタはハリー・ポッターだが…」

　故障がちで、戦線離脱を繰り返している司令塔イニエスタの後継者の台頭が望まれるバルサにあって、D・スアレスはパフォーマンスの質を高めている。

「（イニエスタの）後継者になれるのか？」という質問を受けた指揮官は、「彼はなれるかもしれない。そうだろ。選手は進化しなければいけない。彼も進化しなければいけない。しかし、イニエスタはハリー・ポッターだ。彼は魔法を使うんだ。彼の代わりを見つけることは困難だ。だが、デニスは正しい道を歩んでいる。彼がイニエスタの後継者になれることを願っている」と期待を込める。

　2ゴールという結果が、ハンサムな新鋭をハリー・ポッターに進化させる媒介になるという。

「ゴールは彼の自信を高める。彼は正しいタイミングでその場所に顔を出している。もう少し有効性を高める必要がある。しかし、今日はフィニッシュ能力を見せつけてくれた。試合でボールを持つ時間は1分か1分半だ。だから、ボールを持たない時間にいいプレーができなければ、このレベルに到達できない。デニスはそれを理解している。彼はチームメートから愛されているんだ」

　ポジショニングとフリーランニングの質を高めているデニスは連動性にも優れ、同僚との連係も流麗になってきた。代替不可能と呼ばれて久しい“魔法使い”イニエスタの後継者に、もう1人のスアレスが名乗りを上げている。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文　text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images