イラクのエースFW離脱「監督も了承」 母国記者が語る“不仲報道”の真相「何の関係もない」【現地発】

イラク人ジャーナリストのムスタファ・アル・ダシュティ氏【写真:森 雅史】
イラク人ジャーナリストのムスタファ・アル・ダシュティ氏【写真:森 雅史】

イラク代表の指揮官「完璧な試合をしなければいけない」

 イラク代表は1月18日、日本戦の前日公式会見を行った。会見でヘスス・カサス監督は報道陣からの質問が出る前に、FWダニーロ・アル・サイードがチームを離れたことについて自ら語り始めた。

「ダニーロは私に連絡をして、ミーティングが必要だと言ってきたので2人だけで話をした。体調が優れないと言ってきたし、韓国との練習試合でも良くなかった。彼のメンタルは良くなかったし、『家に帰らないといけない』と言ったので説得したが、彼は帰宅することになった。彼は静かな環境を求めている。これ以上については何も話せない。質問されても私は何も答えない」

 ダニーロはスウェーデンからの帰化した左ウイングで、2022年にイラクのU-23チームに招集され、2023年に代表チーム入りしていた。2023-24シーズンはノルウェーのサンネフィヨルドで11ゴールを挙げるなど活躍していて、アジアカップでの活躍が期待されていた。

 なぜダニーロは代表チームから離脱したのか。イラクのジャーナリストでYouTuberでもあるムスタファ・アル・ダシュティ氏は「ダニーロは監督と衝突したという報道が出ているがとんでもない。彼は家族の問題でチームを離れただけで、監督も了承した。だからチームとは何の関係もないんだ」と語る。

 そして「初戦のインドネシア戦でゴールを奪ったMFウサマ・ラシドもチームを離れた。だけどそれは妻の出産のために離れただけで、もう戻ってきている。監督もちゃんと許可を出していた。だからイラクチームの問題はない」と続けた。

 思わぬ選手の離脱が相次いだイラクだが、日本戦に向けては意欲十分。会見では日本チームを「アジアで最高のチーム」と持ち上げつつ、「完璧な試合をしなければいけない」と勝点3への意欲を明らかにしていた。

(森雅史 / Masafumi Mori)



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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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