森保ジャパンをどう見る? 韓国人記者を直撃…「とにかく失望の一言」と語った訳【現地発】

取材に応じた韓国人記者のキム・ドンヨン氏【写真:森 雅史】
取材に応じた韓国人記者のキム・ドンヨン氏【写真:森 雅史】

ライバル国記者に問う森保ジャパン、韓国メディア記者の評価は?

 カタールで開幕するアジアカップで、森保一監督率いる日本は、2011年大会以来、5度目の大会制覇を狙う。欧州各国クラブで活躍するタレントが豊富な日本は優勝候補に推されるなか、ライバル国記者は森保ジャパンをどう見ているのか? 現地で韓国記者からその声を訊いた。

 韓国のニュースエージェンシー「NEWS1」のキム・ドンヨン記者は、これまで数多くの国際大会を取材している。大会のたびに日本メディアと情報交換をするとともに、忌憚ない意見を聞かせてくれる貴重な存在だ。

 2019年UAEアジアカップで日本代表を取材したキム記者は「とにかく『失望』の一言だ」と語っていた。キム氏は2018年ロシア・ワールドカップの日本代表を高く評価していたため、2019年アジアカップで「なぜ森保一監督がこんなに守備的なスタイルを取ったのかが分からない」と失望を隠せなかった。

 そのキム記者は現在の日本代表をどう見ているのか。

「日本はアジアカップにいつもいいチームを作って臨んでくる。今回もとても強い。三笘薫(ブライトン)、冨安健洋(アーセナル)、久保建英(レアル・ソシエダ)たちは怪我をしているようだが、それでも日本は間違いなくトロフィーに近い存在だと思う」

 一方で韓国代表には高い期待を寄せている。現在のチーム状態は「誰も怪我人がいない、26人が素晴らしい状態でやってきた」。もっとも、韓国がEグループを1位で抜ければトーナメントではイランと対戦することになりそうで、日程も日本がいるサイドに比べれば厳しいのは分かっている。それでも今回は大きなチャンスだと捉えている。

「ご存知のとおり、韓国は1960年以降、アジアカップで優勝していない。最近は日本が立ち塞がっている。ホン・ミョンボやファン・ソンホンがいた時にも勝てなかった。本当ならパク・チソン、チョン・ソンリョン、チャ・ドゥリ、ク・ジャチョルがいた2011年は大きなチャンスだったけれど、準決勝で日本にPK戦の末敗れた。だが、今回はアジアのトップに立つチャンスだと思う」

 そう言いながら、キム記者はある日本人選手の活躍を楽しみにしているとも打ち明けた。それは遠藤航(リバプール)。「実は僕はリバプールのファンなんです。遠藤は12月のMVPでした」

 もし日韓代表がそれぞれのグループで首位になれば顔を合わせるのは決勝戦ということになる。キム記者はそのスコアをどう予想するのか。

「2-2ということにします」。そう言うキム記者は「遠藤には決勝でプレーしてほしくない」と笑った。

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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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