鉄壁の前橋育英“2年生DFライン”を救った3年生CB 自身初の選手権で誓う2年前のリベンジ

「石川県のチームに負けたのが悔しかった」

 小山は昨シーズンに2年生でレギュラーだった。しかし、インターハイの決勝で右膝の内側靭帯を痛めると、冬に再発。3年生になってスタメンを奪還したが、インターハイ後に右足首を痛めてスタメンから外れた。そのまま迎えたのが、自身にとって初めてとなる選手権だった。

「ずっと目標にしてきた舞台なので、出られたのは嬉しい。でも、まだ優勝はしていないので。もっといいプレーをしたい気持ちはあったけど、無失点で終われたのは良かった」

 前橋育英は名門と呼ばれながら、2大会前の決勝で星稜(石川)に敗れた準優勝が歴代最高成績だ。そして小山は1年生としてスタンド観戦していたこの決勝戦に、並々ならぬ思いがあったという。

「僕は石川県出身でここ(前橋育英)に来たんですけど、その石川のチームに負けたのがすごく心に残っていて悔しかった。その舞台にチャレンジするためにも、準決勝をしっかり勝って進んでいきたい」

 後輩の出場停止で回ってきた初めての選手権出場を、無失点勝利で飾った。名門の最終ラインに控える3年生DFは、見事にチームをその先の舞台へと導いた。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

 

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