川崎2度目の天皇杯V「どうしても獲りたい思いだった」 史上最多6万2837人の観衆…鬼木監督が抱えた思い

川崎の鬼木達監督【写真:徳原隆元】
川崎の鬼木達監督【写真:徳原隆元】

鬼木監督が3大会ぶり2回目の優勝へ言及

 第103回天皇杯全日本サッカー選手権大会は12月9日に国立競技場で決勝戦を行い、川崎フロンターレと柏レイソルは両者無得点によるPK戦は10人目までもつれ込んだ末、川崎が3大会ぶり2回目の優勝を果たした。川崎の鬼木達監督は「ピッチに立てなくてもみんなの力で優勝したというのはあるので、前回よりも非常に嬉しい」と話した。

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 川崎にとって苦しいゲーム展開だった。前半の立ち上がりから「我慢せざるを得ない状況だった。声掛けをしても指示が通る状況でもなかった。相手の勢い、プレッシャーを掛ければ背後に落とされて間延びした。本来ならボールを握りたいけど、その時間が極端に減った」と鬼木監督が話したように、相手ペースの展開を耐えることになった。芝のコンディションが厳しかったことも、ショートパスを基調にしたサッカーを組み立てる川崎にはマイナス要因だっただろう。

 一方で、指揮官が「レイソルの本来の脅威であるカウンターが、自分たちが持てない分で脅威の部分は(減った)。少し冷静に見ながら相手のストロングポイントと自分たちの上手くいっていない部分の折り合いをつけながら見ていた」という部分は、サッカーの面白さだろう。ただ、後半になっても柏にチャンスが多い展開は変わらず、鬼木監督は「ゲームは終始柏のペースだった。なかなか自分たちの形でサッカーができなかった」と総括するに至った。

 PK戦も状況が二転三転した。先攻の川崎は5人目のFWバフェティンビ・ゴミスが決めれば勝利の場面でセーブされた。逆に6人目では、決められたら負けのキックがクロスバーに当たった。最終的には10人目、GKチョン・ソンリョンが先に決めて、相手GK松本健太のキックをセーブした。鬼木監督は「ソンリョンもそこまで回ってくると思っていなかったでしょうけど、今日は(相手のキックが)外れてはいたけど、止めていなかった。もしかしたら自分で止めてくれるんじゃないかと。決勝という舞台は、少なからず経験が必要だと思う。そこは生きたと思う」と、期待感があったと話した。

 川崎にとっては2回目の天皇杯制覇だが、前回大会は新型コロナウイルスの影響で非常に変則的な形だった。J1からは優勝した川崎と2位のガンバ大阪のみが準決勝から出場。結局、2試合を勝利したのみでの優勝だった。そのシーズンは2位に勝ち点18差をつけたぶっちぎりの優勝をしたシーズンでもあり、リーグ戦が8位に終わるなかで多くのメンバーも使いながら勝ち抜いた今大会とは何もかもが違った。

 鬼木監督はその点について、「カップ戦を何試合も戦い、いろいろな選手が出場しながら勝ち上がれたのは本当に素晴らしいと思う。苦しいシーズンというのもあるけど、その思い入れは非常にある。この決勝の舞台に立てなかった選手も当然いる。前日まで誰をメンバーに入れるか非常に悩んだ。怪我をしている選手、(佐々木)旭は(4回戦)高知ユナイテッドSC戦で決勝ゴール。高井(幸大)もゴールからボールをかき出すプレーがあった。そういう意味で言うと、いろいろな選手が関わってきている。その思いはすごく強い。その場に立てなくても、ピッチに立てなくてもみんなの力で優勝したというのはあるので、前回よりも非常に嬉しい優勝かなと思う」とほほ笑んだ。

 来季の続投も発表されている鬼木監督だが、「苦しいシーズンで、ただ苦しいなかでも、Jリーグもああいう形になってしまったからこそ天皇杯をどうしても獲りたい思いだった」として、「タイトルはどんな形でも獲り続けないと、獲れないことに慣れてしまう。どんな形でも獲ることで、タイトルを取る時の空気感を伝えていってほしい。それは必要なことなのでタイトルを獲れたのは喜ばしい。もっともっとやっていかないといけない。どんな状況でも、苦しいなかでも勝てるのは簡単じゃない」と、天皇杯の決勝史上最多となる6万2837人の観衆の前で獲得したタイトルの意義を語っていた。

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