東京V・J1昇格決定弾の染野「PKになって良かった」 FWとしての意地「あの場面で蹴らなかったら…」

同点ゴールを決めた染野唯月【写真:Getty Images】
同点ゴールを決めた染野唯月【写真:Getty Images】

「常に裏を抜け出す、背後に抜け出すことを意識していました」

 1点を追う展開となった東京ヴェルディの選手には、16年目のJ2のシーズンも頭をちらついていただろう。12月2日のJ1昇格プレーオフ決勝の清水エスパルス戦、後半18分に先制ゴールを与えてしまった東京Vは、その後は相手の5バックを崩せないまま時間が過ぎていった。

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 そうしたなかで迎えた後半アディショナルタイム6分、FW染野唯月がエリア内でドリブルを仕掛けると、DF高橋祐治に足をかけられる。池内明彦主審はPKを宣告した。高橋は試合後、「ちょっと厳しいと感じる」とジャッジについて語ったが、染野は「常に裏を抜け出す、背後に抜け出すことを意識していました。ボールをもらう回数は少なかったですが、タイミングと動き出しが本当に合った結果だったと思います。自分の一番良い形でボールをトラップできたのが良かったと思います。自分でシュートまでいこうとして、足を出したところに相手が来ました。ただ、エリア内か、エリア外かが分からなかったので、PKになって良かったです」と、ファウルがあったことは確信していたという。

 PKを蹴る前、倒された足に痛みがある様子を見せていた染野だが、ボールを持ち、自身がキッカーを務める姿勢を見せていた。「あの場面で蹴らなかったら、FWとして気持ち良くなかったし、最後に自分が点を取りたい気持ちが強かったので蹴りました」と、この時の心境を語った。

 清水のGK大久保択生も反応したが、力強いシュートはゴールに決まり、東京Vが同点に追い付いた。このキックについて「あの位置に蹴れたのは、自分の得意の形でもありましたし、良いところに飛んでくれたかなと思います。蹴る時に焦りもなかったですし、緊張はしましたが、思っていたところに蹴れたのが一番良かったと思います」と言い、「正直、今までのキャリアで一番緊張していました」と、明かした。

 自身のゴールで名門の東京VをJ1に戻すことになった染野は「やっぱり点を取れなかった時期もあったし、チームを助ける点を取れなかった時もありましたが、最後にFWとしての仕事ができたのかなと思います」と、胸を張った。

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