久保建英は「4アシストの伊東以上の輝き」 日本代表OBが大絶賛…圧巻ミドル弾「1点以上の価値」と語る訳【見解】
【専門家の目|金田喜稔】久保の先制点が「勢いをもたらす糸口となった」
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング18位)は、現地時間11月21日に中立地のサウジアラビア・ジッダで行われた2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選でシリア代表(同92位)と対戦し、5-0で勝利した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、先制ゴールを叩き込んだMF久保建英について「4アシストの伊東以上の輝きと言っても過言ではない」と絶賛している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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16日のホーム初戦でミャンマー代表に5-0と勝利した日本は、シリア戦で9人の先発を入れ替えて臨み、トップ下に入った久保は後半30分までプレー。金田氏は、久保を攻守両面で高く評価している。
「守備では相手のパスコースの限定が巧みで、一見すると分かりづらいかもしれないが、後方でのボール奪取をかなり助けている。最大の魅力はアタッキング性能で、左足の繊細なタッチ、強烈なキック、巧みな身体の向きや緩急、視野の広さ、独特のパスタイミングなど、多くの持ち味がある。久保がボールを持った時、周りが上手く連動すればボールが出てくるし、チャンスになる確率も高い」
シリア戦では日本がゴールを積み重ねて2試合連続の5-0と完勝したなか、金田氏が最大級の賛辞を送ったのが先制ゴールだった。前半32分、MF伊東純也からのパスを受けた久保が、そのままカットインで中央に侵入し、左足を振り抜く。ニアサイドを破った強烈な一撃がネットに突き刺さり、日本が待望の先制ゴールを挙げた。
「相手がある程度引いて構える展開は予想されていたなか、『先制点』がポイントだった。日本が先に先制点を奪ってしまえば、相手が多少前に出てきて追加点が奪えるだろうし、それでも出てこなければ一方的に押し込む展開が考えられた。日本が左右から揺さぶりをかけるなか、相手も粘り強い対応を見せていたが、そのなかで生まれたのが久保のスーパーゴールだった」
主導権を握りながらもゴールをこじ開けられない時間が続いた日本だったが、久保の一撃が漂い始めた暗雲を吹き飛ばし、ゴールラッシュの流れも呼び込んだ。
「久保の一発で試合の流れが決まり、ゴールラッシュにつながった。単なる1点以上の価値があり、4アシストの伊東以上の輝きと言っても過言ではない。『この日は久保』というぐらい先制点の意味は大きく、勢いをもたらす糸口となった」
シリアの思惑も打ち砕いた久保の圧巻ゴールを金田氏は絶賛していた。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。