「VARはある程度好き」 甲府FWウタカ、恩恵受けた判定に言及「J2だったらオフサイドで終わっていた」

甲府のピーター・ウタカ【写真:2023 Asian Football Confederation (AFC)】
甲府のピーター・ウタカ【写真:2023 Asian Football Confederation (AFC)】

ACL浙江戦でウタカは先制ゴールを決めた

 昨年の天皇杯王者ヴァンフォーレ甲府は、11月8日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ第4節で浙江FC(中国)と対戦して4-1で勝利した。この試合のマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)には、先制ゴールを挙げたFWピーター・ウタカが選出されたが、先制点の場面を含めて、この試合では何度もVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)チェックが行われた。

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 普段はJ2で戦っている甲府だが、ウタカは「今日の試合はJ2を誇りに思えるとても良い試合だったと思います。すべての選手が気持ちを見せて挑みました。とても良いカウンターができて、中国のトップチーム相手にファンタスティックなパフォーマンスができた」と、胸を張った。

 J2ではVARが導入されていない。先制ゴールの場面、ウタカはMF中村亮太朗からのスルーパスを受けて、フィニッシュをゴールに決めたが、副審はオフサイドの判定。しかし、長時間に渡るVARチェックの結果、オフサイドはないと判定が覆り、先制ゴールが認められた。

 ウタカは「映像を見返していませんが、オフサイドでもあまり気にしていませんでした。常に得点を挙げるために最終ラインの裏を狙っているからです。あの場面でもクリアボールが来るのではないかと予測していて、その通りにボールが来たからスピードを持ってプレーできました」と、振り返る。VARチェックを待っている間には、「判定が出るまでに時間がかかっていたので、なんとなくゴールではないかなと思っていました」と振り返った。

 先制ゴールが認められた一方で、不可解な判定もあった。前半30分過ぎ、甲府がエリア内まで攻め込んだ際、相手のDFが倒れこみながらボールを抱え、さらにはウタカのシュートも地面に付いていた手でブロックするような場面があった。ウタカをはじめ、甲府の選手はハンドを訴え、VARチェックも行われたが、ハンドとは認められなかった。

「僕たちはハンドだと思って主審にも伝えたのですが、チェックが終わった後『手が地面に刺さっている状態だったので、ハンドはなかった』と言われました。もちろん、目の前で相手のDFの手にボールが当たったのは見ていましたが、PKではないと言われたのでそれに従いました」

 それでも、この日はVARの介入についてはポジティブにとらえているようだ。「今日はVARが僕の味方をしてくれたからね(笑)。J2だったら、僕の先制ゴールはオフサイドになって終わっていた。だから今日はVARは良かったし、ある程度、好きです」と言って笑った。

 ACLでグループHの首位に浮上した甲府は、週末にJ2最終節で山形と対戦する。プレーオフ進出争いを繰り広げているチームにとっては、重要な一戦だ。「僕たちのチームはとても選手層が厚いです。すべてのポジションに同じレベルの選手が2人いる状態。ベンチを見ても、素晴らしい選手が控えているから思いっきりプレーできます。この勝利はリーグ戦にもつながるはずだと思います」と自信を見せた。

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