「Jリーグでやりたい」 逗子出身→フィリピンで経験積み“凱旋試合”を達成…思い描く未来「一生懸命戦えていた」

カヤFCの堀越大蔵【写真:2023 Asian Football Confederation (AFC)】
カヤFCの堀越大蔵【写真:2023 Asian Football Confederation (AFC)】

カヤFCのFW堀越大蔵が横浜FM戦で好プレー

 10月25日に横浜国際総合競技場で行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)第3節の横浜F・マリノス対カヤFC(フィリピン)の一戦を、誰よりも心待ちにしていたのはカヤのFW堀越大蔵だろう。

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 神奈川県出身のストライカーは、東海大学卒業後にシンガポールのアルビレックス新潟シンガポールへ移籍。そこでの活躍や星出悠アシスタントコーチとのつながりもあり、練習参加からフィリピンのカヤに加入することとなった。

 横浜FMとの対戦が決まった時、逗子市出身の堀越は「すごく嬉しかったです」と言う。「対戦が決まった時にマリノスさんもJ1で首位に立っていたので、『どれだけ自分ができるかな』というのも思いました。日産スタジアムとも少し縁があって、ファミリーフットサルとかに家族で出て、ファミリー賞をもらったこともあったんです。家族としても思い出のあるスタジアムで試合ができたのは良かったし、少し親孝行もできたかなと思います」と、笑顔を見せた。

 この試合には、堀越の家族や友人が多く駆けつけていた。試合中には、「ダイゾウ、オレ!」などのチャントも歌われた。その声援はピッチの堀越にも届いていたという。

「たまに恥ずかしい時もありましたけれど、僕の1つの夢でした。こんな素晴らしいスタジアムで素晴らしい相手とできた。プレーしていて楽しかった。友人や家族の前で、楽しんでいるプレーを見せられたのは良かったです。今日も来てくれていて、僕より気合いが入っていたかもしれません」と笑った。

 クラブの規模も戦力的にも、横浜FMと比較すると大きく劣るカヤは、全員が引いて守り、カウンターも無理な状態では狙わない。「ずっとプレーを続けてしまうと、今回のような戦術だと、精神的にも体力的にもしんどいので、うまく賢く点を狙っていた」と、ゴールキックなど、しっかりとボールを扱えるリスタートの時を中心に狙った。

 その作戦は大いに横浜FMを苦しめ、前半18分にはGKのロングキックを起点に堀越が抜け出し、GKと1対1になるチャンスもあった。惜しくもシュートは左ポストを叩いたが、あわや先制点という場面だった。

「あれは試合前から狙っていました。チームとして意識を統一して、あれを狙っていこうとして、それが上手くいきました。結果につなげられなかったのが残念でした。ちょっと角度のないところまで運んでしまったので、ニアに速いボールを蹴ればと思ったのですが、もしかして入るかなと思ったのですが入らなかったので、次に改善したい」と振り返る。

 0-3と敗れた試合全体を「結果は残念でしたし、すごくタフな試合でしたけど、個人的にはチャレンジすることを楽しめました。最後、交代してしまいましたが、最後までプレーしたかったなという気持ちもあります」と、悔しさをにじませたが、その一方で手応えもあった。

「試合前に全力を出し切ろうというのは、そこはまず目標を1つ達成できた。チーム全員の顔を見ても、勝つために一生懸命戦えていましたし、前回の試合に比べて成長できたと思います。でも負けてしまったので、そこは改善して、あと3試合やっていきたい」

 フィリピンというサッカーが盛んではない国でプレーしていることにも、「環境も多少、厳しいところはありますがサッカーが好きですし、続けたいです。1日1日を大事にしながらやっていたことが、思ってもいなかったACLに2回出場するとか、こういう素晴らしいスタジアムで試合を続けることにつながったので、続けていきたいと思います」と、前向きに語った。

 この試合の堀越のパフォーマンスを、DAZNで解説していた元日本代表FW佐藤寿人氏も称賛していたが、Jクラブに向けてのアピールになる可能性はある。「やっぱりJリーグでプレーするのは、小さい頃からの夢でもありました。でも、やってみてもっと成長しないといけないと感じてはいるので、そういうのはあまり考えないですが、Jリーグでもやりたいなと思っています」と、思いを語った。

 次節はホームに横浜FMを迎えることになる。再戦に向けて「今日戦ったことで経験としてマリノスさんと試合を90分通してやれたので、それをしっかり練習に生かし、このレベルを意識しながら次は僕らのホームでやるので、また違う流れになると思うので全員で意思疎通してやりたいなと思います」。

 ホームのサポーターとともに戦う第4節では、今回の試合以上に横浜FMを苦しめることができるだろうか。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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