【天才キッズ】バルサアカデミー特待生として順調に成長 日本代表の活躍に興奮…幼少期から基礎技術を意識

福岡県在住の小学3年生・吉田逞馬くん【写真:パウロ吉田】
福岡県在住の小学3年生・吉田逞馬くん【写真:パウロ吉田】

未来のスター候補生を発掘「BLAZE A NEW PATH~天才キッズを探せ No.72」

 日本サッカー界の未来を担う将来有望な天才キッズを探す「FOOTBALL ZONE」の連載「BLAZE A NEW PATH」(新しい道を切り開く)。謎のスカウトマン・パウロ吉田が日本全国を回って未来のスター候補生を発掘するなか、今回は福岡県在住の小学3年生・吉田逞馬くんに迫る。(取材・文=パウロ吉田)

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 今回紹介するのは福岡県に住む3年生の吉田逞馬(タクマ)。2年生の夏のグローバルエリートキャンプに遠く九州から参加してくれていた際、2年生とは思えないインテリジェンスを持ち合わせたプレーが光り、非常に注目していた選手で、この度1年越しで無事取材することができた。

 お父さんは小学校時代に野球少年だったが、キャプテン翼ブームもあり中学からサッカーを始めた。しかし幼少期からやっていなかったこともあり、キーパーというポジションを選択し、その後は30代後半まで社会人リーグでプレーしていたという。小学校から高校まで本気でバレーボールをやっていたお母さんとはサッカー観戦が趣味で、タクマが生まれる前からサッカー観戦を楽しむような2人の下に生まれた。

 最初はボール投げなど、野球寄りの運動から幼児期の運動体験をスタートさせたようだが、転機が訪れたのはロシア・ワールドカップ(W杯)の予選だった。埼玉まで当時2歳のタクマを連れて予選の観戦に行った際、初めて足を踏み入れたスタジアムからピッチを眺めるタクマは今まで見たことがない表情をしていた。その後は日本代表の活躍に興奮し、「本田!!原口!!」などと叫びながら見よう見まねでボールを蹴り始めたという。

 自身の経験もあり、やはり足でボールを扱うスポーツである以上、幼少期から足を自由に扱える神経を育てる必要を感じていたので、基礎技術の徹底は意識していたという。実際、公園にボールを蹴りに連れて行くと、同じ年齢の子はただボールを蹴るだけだったが、タクマはすでにボールを足から離さないようにドリブルのようなことをしていたので、「そういった部分に長けているのかな?」と思ったそう。

 幼少期のタクマが自宅で足もとの練習をしている動画で、お手本にテレビの画面から流れていたのが本連載『blaze a new path』の第1回で取材した山田逞人の動画だったというのには運命を感じて胸が熱くなった。

天然由来の食材から亜鉛やカルシウムなどを意識的に摂取

 お父さんは当時の自主練では、形や基礎について口出しはせず、本人の気持ちのままに独創性で好きなようにボールを足で触る時間を増やしていった。その頃、サッカースクールの体験に連れて行ったところ、本人がぜひやりたいとなり、そこから一気に現在までのサッカー中心の生活が始まった(1年生から始めた水泳は週1回で続けている)。

 だがすぐにチームには所属せず、さまざまなスクールに通いながら、タクマの育成にとってベストなチーム選びのためにお父さんも相当な情報収集と熟考を重ね、現在の福岡西フットボールアカデミーに所属することになる。小学生年代は試合での選手起用法にさまざまな考え方があるが、低中学年代は均等に試合に出すチームの方針をお父さんはプラスと捉えている。小学生年代はさまざまなレベルの子供たちの中で仲間のウイークポイントをサポートしたり、純粋な仲間との友情を育み、大切な礼儀作法を学ぶ場としても大切にしてほしいと考えていた。

 現在はバルサアカデミーに特待生で通うなど、順調に成長しているタクマ。技術的な面はすぐにできるタイプではなく、ひたすら積み重ねた努力の賜物で、その努力を真っ直ぐにできるのがタクマの1つの才能だろう。

 食が細いのが悩みながら、1日4食、食事や補食にかなり気を使っているそうで、スポーツドリンクやエネルギーゼリーのようなものは摂らない。天然由来の食材から亜鉛やカルシウムなどを意識的に摂り入れ、さらにそれらの吸収効率を上げる成分を天然由来のサプリで補っているという。それでもどうしても食事には時間がかかってしまうと苦笑い。

 筆者が見た2年生時のプレーはタクマの持つ天性の感覚のようなものを多分に感じた。運動能力的な部分に関してお父さんは謙遜するが、そのパスセンス、スルーパスの感覚のようなものは少し特別なものを感じるという。アウトサイドパスやチップキックによる止まるパスなど、低学年がなかなか追求するには至らない要素を楽しみながら追求している玄人好みの選手。きっとその眼で新しい道を切り拓いて行くだろう。

撮影協力:PRIDE BASE / プライドベース@福岡

天才キッズ「プロフィール&1日のスケジュール」

【プロフィール】※2023年7月現在

吉田逞馬
(TAKUMA YOSHIDA)

生年月日:2014年9月22日
出身地:福岡
身長・体重:131.5センチ・30キロ
足のサイズ:22センチ
ニックネーム:たっくん
サッカー歴:5年
所属チーム:福岡西フットボールアカデミー
所属スクール:バルサアカデミー福岡エリートクラス
       ソルティーロファミリアスぺシャルクラス   
過去通ったサッカースクール:ベトレーセ / アビスパ福岡スーパークラス
憧れの選手:アンドレス・イニエスタ、ロナウジーニョ

【1日のスケジュール】
6:25 起床/朝食
7:15~8:00 朝自主練(体幹/全身運動/ボールタッチ/逆足)
8:05 登校
14:50 帰宅 
14:50~16:00 食事 
16:00~16:15 自主練ボールタッチ
16:20~16:55 車移動 車中に宿題
17:00~19:15 チーム練習
19:20~19:55 車で帰宅/車中で食事
19:55~20:20 残りの食事 入浴 ストレッチ
20:20 就寝

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パウロ吉田

パウロ・ヨシダ/世界65か国以上を旅するクリエイティブアスリート。多様なスポーツに精通し、それらを実践している。日本の体育教育をカルチャーに変えるべく、さまざまな競技にさまざまな角度から刺激を与えている。好きなサッカー選手はジョージ・ウェア。

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