イニエスタ、退団セレモニーは涙 ラストスピーチ全文「私たちは日本に戻ってきます。ここは我が家」

神戸を退団するアンドレス・イニエスタ【写真:徳原隆元】
神戸を退団するアンドレス・イニエスタ【写真:徳原隆元】

ラストマッチは57分間プレーした。

 ヴィッセル神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタは7月1日、J1リーグ第19節北海道コンサドーレ札幌戦でラストマッチを迎え、先発出場で57分間プレーした。1-1で引き分けた一戦で、前半からイニエスタらしいパスやシュートを披露。入場時にはイニエスタ自身がデザインとなった圧巻のコレオが会場を包み、超満員の2万7630人から大声援が送られた。試合後には退団セレモニーが行われた。セレモニーでは特別ユニフォームを着用。家族から花束が贈られた際には大粒の涙を流した。

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 チームメイトからサイン入りのユニフォーム、Jリーグの野々村芳和チェアマンからは「チェアマン特別賞」が贈られ、三木谷浩史代表取締役会長からは江戸時代初期に作られた名刀がプレゼントされた。

 家族のサプライズ登場には驚いた表情を見せながら、妻アンナさんと熱い抱擁を交わした。愛する家族からの花束には大粒の涙を流した。

 その後、ピッチの中央に立ったイニエスタは神戸のサポーターに向けて最後の挨拶を行った。スピーチの全文は以下の通り。

「コンバンハ、ミナサン。5年前に神戸、ヴィッセルに来ました。その時にはこの旅がこれだけ美しく感動的なものになると想像できなかった。大切な思い出として持ち帰るものは皆さんが、自分たちがここに着いた1日目から大きな愛情とリスペクトを持ってくれた。私個人、家族のみんなを代表して感謝したい。自分の家を遠く離れたところで我が家にいるような感覚は普通感じられるものではない。ここで私たちは感じられた。それもみなさんのおかげ。感謝したい。本当に皆さんは私たちの人生の一部分です。

 2018年にここに来た時このクラブをより大きなクラブにするという約束を果たしに来た。それを果たせたと思うし、ピッチ内外で最大限出すことに務めてきた。自分が感じた誇りと皆さんが同じくらいの誇りを感じてくれていると願っている。この最後の数か月は自分にとっても取り巻く人にとっても苦しい時期だった。自分のキャリアを終えるにあたってピッチの上でプレーしながら引退したいという気持ちがあり、その気持ちに従って次の1歩を踏み出そうとしている。

(サポーターからの拍手)

 自分はここに来た時よりもずっと選手として、人としてずっと成長したという風に感じている。そのことに関してはチームメイトや元チームメイト、スタッフ、ここにいる素晴らしいファン、Jリーグすべてのファンのみなさんに感謝しないといけない。みなさんのおかげで成長し続けることができた。最後にファンの皆さんにはここまでやってきてもらった通りチームを支えてほしい。

 後半戦、みなさんの支えが必要。チームは素晴らしいところにいますが、より力強く、自分も離れたところではありますが、チームに力を送りたい。今日はお別れを言う日が来ましたが、自分はさよならという言葉は好きではない。また会いましょうというお別れの言葉。私たちは日本に戻ってきますし、ここは我が家のようなもの。アリガトウゴザイマシタ、ミナサン」

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