日本は「我が家のようなもの」 5年間で重ねた“日本愛”が凝縮されたイニエスタ語録

神戸を退団するアンドレス・イニエスタ【写真:徳原隆元】
神戸を退団するアンドレス・イニエスタ【写真:徳原隆元】

神戸での穏やかな生活をエンジョイ

 元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタは、7月1日のJ1リーグ第19節北海道コンサドーレ札幌戦でヴィッセル神戸でのラストマッチを迎えた。2018年夏にスペイン1部FCバルセロナから電撃加入し、約5年間のJリーグ生活を送った。「FOOTBALL ZONE」では、日本列島を沸かした名手の貢献や素顔に迫る特集を展開。イニエスタの日本への思いを過去の発言から紐解いていく。

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 2018年5月24日、加入会見に臨んだイニエスタは「日本というのは素晴らしい国だと思う。日本文化は素晴らしい。できるだけ早く日本に慣れて活躍したい。日本での生活を楽しみながらプレーも楽しみたい」とコメント。来日時から日本の文化を尊重した様子で、「みなさんと同じように国民の一員になりたい。祖国の文化とは違うが、一員になっていきたい」と、異国での生活に意欲を示していた。

 来日から3か月が経った18年10月には、スペイン1部FCバルセロナのインタビューにて、日本人の“仕事に対する価値観”について語っていた。

「最も目を引いたのは、仕事の仕方。すべて、きっちりと計算され尽くしていることかな。僕はかなり物事をシステマチックに行うほうだけれど、日本でのそれは信じられないくらいだ」

 神戸で暮らすイニエスタは、神戸の街にも愛着を見せた。スペイン紙「マルカ」のインタビューでは、「不思議な経験をしている」と、スペインでの生活とのギャップを感じるも、「この街(神戸)は何も欠けているものがないし、とても穏やかで、家族との生活、サッカーの両方を楽しんでいるよ」と、神戸での充実した日々に関して語っていた。

 20年には新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界を襲い、Jリーグにも大きな影響を与えた。イニエスタはスペイン紙「ムンド・デポルティーボ」のインタビューで、当時のスペインの状況を心配しつつも、コロナ禍の日本について「衛生面の規律が守られていて、感染リスクは最小限に抑えられている」と、感染症対策について説明していた。

5年間で「日本はもう我が家のようなもの」

 そして、5シーズン目を迎えた22年2月には、「自分のホームと呼べるような場所を見つけた感覚で生活ができています」と、日本に“第2の故郷”のような感覚を抱いた様子を見せ、「あらゆる面での生活に満足できています」と語った。

 イニエスタは23年5月25日に今夏での退団が発表。退団会見にて5年間で積み上げた“日本愛”を語り、「自分はここに来て、いい意味で驚かされた」と、Jリーグで感じたことと、未来への期待を口にした。

「ものすごく競争力のあるリーグ。どんどん成長していく。5年前、10年前と比べてもレベルが上がっている。日本人選手はレベルの高い選手が揃っている。引き続き海外から来る選手に学んで、この道を歩み続けていけば、どんどんいいリーグになる。世界的に見ても魅力的。自分はここに来ていい意味で驚かされた」

 世界的名手は日本人へのリスペクトを常に持ち、Jリーグの成長、神戸の素晴らしさを発信し続けてきた。家族とは名所に赴き、妻のアンナさんとともにSNSで世界に発信するなど、サッカー以外の日本文化にも積極的に触れる姿が印象的だった。

 6月6日のバルセロナとの親善試合後には、「日本はもう我が家のようなもので、今後もそうなる」と、日本との関わり続ける意思を示したイニエスタ。再び名手が日本に訪れる日が待ち焦がれる。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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