「得点パターンが増えた」 久保建英、ゴール量産の理由を自己分析…代表でも「1点取れればどんどん行ける」

日本代表の久保建英【写真:ロイター】
日本代表の久保建英【写真:ロイター】

今季ソシエダで、ラ・リーガ日本人最多の1シーズン9得点

 シーズンを通じて得た自信が滲み出ていた。日本代表は6月12日にトレーニングを行い、15日に豊田スタジアムで行われるエルサルバドル戦に向けた準備を始めた。3月シリーズでMF久保建英(レアル・ソシエダ)は、日本代表に招集されたもののチームが独自に行っている新型コロナ検査で陰性判定が出ず、ホテル待機になる期間が長かった。6月の活動初日のトレーニングから軽快な動きを見せた久保は、「とりあえず検査で陰性が出たので、今回は最後までここから何もなければ同行できるので、しっかり頑張れればなと思います」と、笑顔を見せた。

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 3月シリーズの際にも、「W杯の時とは別人になっている」と発言していた久保だが、この日も練習から見事なシュートを決めるなど、随所にキレのあるプレーを見せた。「楽しくやれていますね」と、合流初日を振り返るとともに、「(所属クラブで)のびのびプレーできているので。それをあらためて代表チームにも持ち込めているのではないかなと思います」と、自己分析した。

 今シーズン、所属するソシエダで9得点を記録。これまで日本人選手が活躍をすることが難しかったラ・リーガにおける1シーズンの最多記録となっている。これだけゴールを量産できた理由について、久保は「得点パターンが増えたのが良かったかなと思います。レパートリーが増えたことで、引き出しを相手も警戒するようになり、その結果、自分の得意な形だったりでも得点が入ったのかなと思います」と語った。

 シーズン最後のアトレティコ・マドリード戦では、ディエゴ・シメオネ監督がマンマークを指示。久保は抑えられた印象があったものの、スペインの“ビッグスリー”が、それだけ警戒してきたことに驚きもあった。だが、久保は「あの試合とかは、監督に『仕掛けるな』と言われただけなんで」と、抑えられたのではなく、仕掛けなかったと主張。さらに「行ったら本当に、自信があるだけじゃなくて、行けていたと思います。あの試合は」と、チームの戦術に従った結果だったことを強調している。

A代表のデビューを飾った相手と再戦「あの時はすごく嬉しかったのを覚えています」

 カタール・ワールドカップ(W杯)の時をはじめ、日本代表でも久保はチームの戦い方に合わせて、なかなか自分の持ち味を出せないことが多かった。この6月シリーズでは、本来の攻撃的なプレーをより多く見せてほしいところだ。森保一監督が、どのような戦い方や選手起用をするかも重要になるが、久保自身も持ち味を発揮するためのイメージを膨らませている。

「今シーズンは特に前の選手が結果を出している。そういう選手を中心に攻撃の質を上げていく。自分たちがボールを持てれば、みんなの特徴も生きやすい。そこは変に臆することなくやりたい。今回の相手が格上かと言われると、そうではないと思うので。これから9月(ドイツ戦)もありますし、今後の相手も含めて、僕たちがボールを持つ時間を保持していきたいと個人的に思っています」

 次のエルサルバドル戦は、久保がA代表のデビューを飾った相手でもある。「あの時は交代で呼ばれて、すごく嬉しかったのを覚えています。今は、それがある種当たり前になっているなかで、嬉しさや楽しさを忘れずに代表の価値を上げていきたい」と、決意を新たにした。

 3月シリーズでは久保が練習に不在だったこともあり、ファンからはMF三笘薫の名前が圧倒的に多く呼ばれていたが、この日は久保の名前も多く呼ばれた。「今シーズンは、僕が頑張ったのもあって、日本の人も期待はしていると思う。期待に応えられる活躍を僕ができればベストだと思います。今、国際Aマッチでは2点……まだ1点か。1点なので、まだ全然。追いつけ、追い越せで、最後に僕が一番結果を残せていれば、万々歳かなと思います。1点取れれば、どんどん行けると思うので、とりあえず積極的にシュートを打っていこうかなと思います」と、ゴールを予告した。

 6月4日に誕生日を迎えた久保だが、まだ22歳。元日本代表FW釜本邦茂氏の持つ最多得点記録75得点は、遥か先にあるが、そこに挑戦できる時間はまだまだある。まずはエルサルバドル戦を、4年間の成長を示す一戦にしたいところだ。

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