Jリーグ「J30ベストアウォーズ」、ベストゴール・フリーキック部門は20候補

　1993年に開幕したJリーグは、今年の5月15日に30年の節目を迎える。Jリーグは「J30ベストアウォーズ」企画を実施中で、ファン・サポーターの投票を基に「MVP」「ベストイレブン」「ベストマッチ」「ベストシーン」「部門別ベストゴール」を決定するなか、Jリーグの特設サイト上で投票を呼び掛けている（投票期間：4月11日13時～4月21日18時／結果発表：5月15日の「Jリーグの日」）。ベストゴール企画では部門別にノミネートが分かれているなか、今回は「フリーキック（FK）部門」を取り上げて紹介してみたい。

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　創設期の名キッカーに挙げられる横浜フリューゲルス（当時）のMFエドゥーは2つのゴールがノミネートされた。94年のジュビロ磐田戦、ベルマーレ平塚（当時）戦と2週連続で決めたものは、どちらも長距離から速く、曲がり、ゴールポストに当たってネットを揺らしたという共通点がある。特に平塚戦はアウトサイドにかけての一撃で衝撃的なものだった。

　日本が誇る名キッカーのMF中村俊輔は、横浜マリノス（当時）時代の97年に平塚から決めた一撃がノミネート。右45度付近からニアサイドを射抜いた弾道は、その後に世界に名を轟かせるレフティーの序章だった。また、日本復帰後の16年にガンバ大阪から決めた一振りもノミネートされている。

　日本代表でも名キッカーとして活躍してきたジュビロ磐田のMF名波浩は99年の鹿島アントラーズ戦、G大阪のMF遠藤保仁は06年のサンフレッチェ広島戦で決めたFKがノミネート。いずれも正確にコースを射抜くと同時に、キック前にコースを読む相手GKとの駆け引きを制している。

ブラジル人選手たちに負けない岩本輝雄の豪快弾、カストロは難しい角度から一振り

　スピード・パワー系では、96年に磐田のMFドゥンガが横浜F戦で決めたゴール、97年に平塚のDFクラウジオがヴィッセル神戸戦で決めた一撃をはじめ、07年に東京ヴェルディのFWフッキがザスパ草津（当時）戦で蹴り込んだ豪快弾、21年にサガン鳥栖のDFエドゥアルドが清水エスパルス戦で突き刺した一撃など、いずれも低空から伸び上がるように決まった形で、ブラジル人選手たちのパワーを感じさせる。一方、ベガルタ仙台のMF岩本輝雄が03年のジェフユナイテッド市原（当時）戦で決めた一発も、それに負けず劣らずのパワーショットだった。

　そのほかでは、01年に東京VのDF三浦淳宏がFC東京戦で見せた“元祖”ブレ球とも言える無回転の一撃もノミネート。21年に名古屋グランパスのFWマテウス・カストロが川崎フロンターレ戦で決めたゴールは、ペナルティーエリアの幅よりもサイドに寄った位置からで、今回の20候補の中で最も厳しい角度から鮮やかに蹴り込んでいる。

　清水のMF澤登正朗や鹿島のMF小笠原満男、川崎のMF中村憲剛といった日本代表でも活躍したキックの名手たちも歴史を彩り、横浜FのMFジーニョや鹿島のMFビスマルクによるテクニカルな一撃も鮮やかだ。豪快なパワー系とコースを狙うテクニカル系で好みが分かれるところで、投票するファン・サポーターも頭を悩ませるに違いない。