浦和指揮官、奮闘した最終ラインを称賛も…“得点力”の課題を指摘「両SBが点を取るのは嬉しいことだが…」

浦和が新潟に勝利し、リーグ戦3連勝【写真:徳原隆元】
浦和が新潟に勝利し、リーグ戦3連勝【写真:徳原隆元】

酒井、明本の得点で逆転勝利した新潟戦をスコルジャ監督が振り返る

 浦和レッズは3月18日のJ1リーグ第5節、アルビレックス新潟戦に2-1で勝利した。先制される展開を逆転で制した形になったが、マチェイ・スコルジャ監督は「今日は非常に良いチームと対戦したと思っている。アルビレックス新潟が本日まで無敗だったのは偶然ではないと思う」と、ここまでJ2昇格組ながらも開幕から4戦無敗だった相手を称えつつ、試合を振り返った。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

 開幕2連敗の後に2連勝中の浦和はMF関根貴大が今季のリーグ戦で初スタメン。スウェーデン人MFダヴィド・モーベルグをベンチスタートとした。しかし、前半10分に高い位置から狙いにいったプレスを外され、右サイドに大きな展開を許したところから失点。指揮官は「今日はハイプレスで少し変えた。特にゴールキックで新潟は動いて伊藤(涼太郎)のスペースを作ってくる。(守備の)練習もしたが、もしかしたら十分ではなかったかもしれない」と話すなど、新潟に狙いを外される場面が目立った。

 そうした中、浦和のMF伊藤敦樹はプレスがハマらない状況に、「選手で話して少し変えた」と中盤の守備を微調整したと話す。新潟のボールコントロールが少し安定しないようになっていったのにつれて浦和がペースを取り戻すと、前半35分に何度かあった相手ペナルティーエリア内での浮き球の競り合いの末、こぼれてきたボールを主将のDF酒井宏樹がニア上を抜く豪快な右足シュートを突き刺して1-1の同点に追いついた。

 さらに浦和は前半アディショナルタイム、MF岩尾憲の右コーナーキックをDFマリウス・ホイブラーテンがファーサイドで競ったボールがゴール前へ。左サイドバック(SB)を務めたMF明本考浩が鮮やかなジャンピングボレーを蹴り込んで2-1の逆転に成功した。

 スコルジャ監督は「後半、ミドルゾーンでセットしてからのディフェンスにした。低い位置での守備になるとピンチになると思ったので、ミドルにしてからできるだけ前から行こうとした」と守備の狙いを変えたことを話す。

 そこは上手くいかなかった部分もあったというが、「ミドルで待とうとしたが押し込まれて低いディフェンスになったが、そこで形を崩さずに特にセンターバックが頑張ってくれた。そういう意味ではプラスの部分もあったと思う。ハイプレスをさらに増やすため、前線を4人交代した。その後は、そんなに多くないが敵陣でボールを奪ってチャンスを作ったし、相手に良いプレーはさせなかったと思う」と、スコルジャ監督は最終ラインの奮闘を称えている。

良い形で攻撃をシュートまでつなげられるかという部分に課題

 新潟には伊藤涼太郎が試合終了間際にフリーキックを直接狙ったものも含め、5本しかシュートを打たせなかった。一方で浦和はセットプレーの多かった前半に5本のシュートを記録したが、後半は2本のみ。それも、後半24分から途中出場のモーベルグが放った2本であり、良い形で攻撃をシュートまでつなげられるかという部分に課題は残っている。

 指揮官は「今日は両SBが点を取る試合になった。それは嬉しいことだが、アタッカーたちにも今後のゲームで点を取ってもらえればと思う」として、「我々のパフォーマンスのほぼすべてを改善しないといけない。まだチームを作り上げていく途中の段階で、できあがっているとは言えない。そして、試合をプレーするごとに良くなっていると思うが、ビルドアップのところをよりしっかりしないといけない」と、攻撃面での改善が必要という認識を話している。リーグ戦では3連勝を飾ったが、5試合で5ゴールと得点力には課題がある。

 先日、スペイン育ちのギニア代表FWホセ・カンテの獲得が発表された浦和だが、ストライカーにシュートシーンを与える部分も含め攻撃のブラッシュアップは必要だろう。デンマーク代表歴を持つDFアレクサンダー・ショルツ、ノルウェーの世代別代表に選ばれてきたホイブラーテンに加え、酒井と明本がサイドで強さを発揮する4バックは陣容もプレー内容もかなりのものを見せているだけに、ゴールが増えてくれば一気にチームが盤石になっていく可能性を秘めている。

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング