J1各チームの今季戦力はアップorダウン? データから導き出す“現在地”【前編】

J1各チームの今季戦力をデータから分析【写真:Getty Images & 小林 靖 & 徳原隆元】
J1各チームの今季戦力をデータから分析【写真:Getty Images & 小林 靖 & 徳原隆元】

【識者コラム】「守備力と攻撃力」、加入選手と退団選手の昨季成績から戦力を分析

 各Jクラブもほぼ概要が固まり、2023年シーズンを始動させた。今はそれぞれのチームのファンが「今年は強いかもしれない」という期待と、「補強はこれで終わって大丈夫だろうか」という不安が入り混じっている時期だと思うが、その胸の高まりやモヤモヤはいくつかの数値で裏付けることができる。

 もちろん数値は指標の1つであり未来を保障するものではないが、1つの角度から現状を捉えて見るのにはいいだろう。

 取り上げるのは、「(1)2022年のチームの守備力、攻撃力はそれぞれ何位だったのか」「(2)今季移籍してきた選手は2022年にどういう成績を残していたか」「(3)昨季いっぱいで移籍して出ていった選手は2022年にどういう成績を残していたのか」という点だ。

(1)については、たとえば守備力(失点数)が低くて(多くて)攻撃力(得点数)が高かった(多かった)場合、普通に考えれば守備力を上げれば今年の順位は上がるはずだ。だが攻守一体であるサッカーにおいては、守備を強化しようとすることで攻撃に割く人数が減り、結果的に攻撃力も低下することがある。

(3)は今年の新戦力が去年どれくらいの成績を上げているか、どれくらいの補強が出来たかという目安、(2)はどれくらいの戦力を放出したのかという目安。この2つを対比することで攻守どれくらいの戦力充実が図れたかを考える。

 なお、新卒とJリーグ以外からの新加入の選手は去年のデータがないので未知数となる。(2)と(3)の数字は去年の実績から見た戦力補強の内容で、それに、この未知数の選手たちがどれくらいプラスしてくれるか、あるいはマイナス分を補ってくれるのかが今年の成績に直結しそうだ。

 使用したデータは1月19日付のJリーグ公式サイトのデータ。上下2回に分けてお送りする。

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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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