J1各チームの今季戦力はアップorダウン? データから導き出す“現在地”【前編】

川崎は守備の主力が抜けるもしっかり戦力を補強

【柏】
2022年度守備:13位
加入GK+DF:89試合・7037分・4点
移籍GK+DF:89試合・7126分・3点

2022年度攻撃:11位
加入MF+FW:60試合・4141分・4点(+J2:35試合・2311分・5点)
移籍MF+FW:70試合・2808分・5点

 放出した分の戦力をしっかり補強した。また攻撃においては去年を上回るだけの戦力を手にしたと言えるだろう。加えて新加入の選手も多く、上手くチームに融合できれば去年の7位からの大幅アップも期待できるのではないか。

【FC東京】
2022年度守備:12位
加入GK+DF:0試合・0分・0点(+J2:53試合・4398分・1点)
移籍GK+DF:6試合・259分・0点

2022年度攻撃:6位
加入MF+FW:61試合・4093分・8点(+J2:7試合・96分・1点)
移籍MF+FW:82試合・2382分・4点

 攻撃面においては充実した。得点力は去年の時点で6位だったが、さらに上回ることもできそうだ。もっとも、去年足を引っ張ったのは失点の多さ。その点においては補強が進んでいないというバランスの悪さが目立つ。

【川崎】
2022年度守備:10位
加入GK+DF:57試合・4887分・2点
移籍GK+DF:37試合・3230分・3点

2022年度攻撃:2位
加入MF+FW:54試合・3851分・11点
移籍MF+FW:47試合・1671分・8点

 守備面においては主力選手が抜かれたものの、しっかりと戦力を補充している。攻撃においても手堅く得点源を加えた。首位返り咲きもありそうな選手層になったが、川崎にとって一番の心配は、新戦力が馴染むまでのリードタイムになる。

【横浜FM】
2022年度守備:1位
加入GK+DF:24試合・1906分・0点(+J3:34試合・3060分・0点)
移籍GK+DF:32試合・2715分・2点

2022年度攻撃:1位
加入MF+FW:0試合・0分・0点(+J2:62試合・3790分・6点)
移籍MF+FW:70試合・2856分・18点

 主力として活躍している選手を何人も抜かれたのに対し、ここまでの補強は拍子抜けするくらい少ない。当然今後の補強を考えているのだろうと思える、現在の移籍状況になっている。去年は2月に入ってエドゥアルドを獲得したという実績もある。

【横浜FC】
2022年度守備:J2:10位
加入GK+DF:0試合・0分・0点(+J2:90試合・6468分・7点)
移籍GK+DF:(J2:99試合・6518分・4点)

2022年度攻撃:J2:3位
加入MF+FW:23試合・511分・0点(+J2:83試合・5826分・17点)
移籍MF+FW:(J2:126試合・4805分・10点)

 移籍したり獲得した選手の合計試合出場数を見ると、大量の戦力の入れ替えがあったことがよく分かる。昨季J2で戦った選手を中心に加入させているので選手間の理解は進みやすいだろうが、選手構成が大きく変わることでチームの作り直しになるのは否めないはず。

【湘南】
2022年度守備:5位
加入GK+DF:0試合・0分・0点
移籍GK+DF:36試合・2985分・0点

2022年度攻撃:15位
加入MF+FW:53試合・2643分・3点
移籍MF+FW:105試合・5522分・5点

 昨季の湘南が粘りを見せて残留できたのは守備力が高かったから。その根本部分が揺らいでいる。またMF・FWにおいても出超なのは間違いなく、今季の苦戦も必至になりそうだ。そういう辛い状況を常に耐え忍んできた湘南だが……。

(森雅史 / Masafumi Mori)



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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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