12年ぶり出場の国見が覆した「PKで勝てない」印象 “宣言制”がもたらした効果とは?

国見が青森山田との3回戦へ進出【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
国見が青森山田との3回戦へ進出【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

PK戦の末に尚志を撃破

 12大会ぶりに全国高校サッカー選手権の舞台に戻ってきた国見高校(長崎)は、12月31日に行われた2回戦でも、尚志高校(福島)との80分間の試合を0-0で終え、PK戦の末に4-3で勝利して3回戦進出を決めた。

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 1回戦でも北海(北海道)にPK戦の末(1-1/PK6-5)に勝利していたが、木藤健太監督は「うちはPKは弱いです。今まで県予選を含めて、PK負けが多かった。私が就任して5年間で記憶ではPK戦で勝利したのはおそらく今回の1回戦が初めてだった」と、今大会で発揮している勝負強さが、これまでにはなかったものであることを明かした。

 GK今村泰斗は、1回戦で2本のシュートをセーブ。2回戦でも1本のシュートをセーブし、1本のミスを誘発した。そして、フィールドプレーヤーたちは1回戦の2本目以降、10本のシュートをすべて決めている。

 その背景には入念な準備があった。後半終了間際に相手との1対1を止める超ビッグセーブで無失点に貢献した守護神の今村は、「止めた瞬間、自分が一番ビックリした。あのセーブがあったからPK戦に向けて勢いに乗れた」と胸を張り、チームメイトたちがシュートを外さない理由として、「宣言PK」という練習をしていることを明かした。

「去年の選手権でもPK負けをしていて、ずっと『国見はPKで勝てない』と言われていました。そこで練習から『宣言PK』というのをやっていたんです。シュートを蹴る前に、GKにあらかじめPKを蹴るコースを宣言して、そっちに蹴って決めるっていう練習を大会前からずっとやっていました。それで良いコースに蹴れたり、シュートスピードで決められたりしていると思います」

 この練習、本格的に取り組んだのは今村たちが3年生になってからだったという。実際、この試合でも尚志のGK鮎澤太陽は、1本目の手に当てたシュートをはじめ、ほとんどのシュートで国見の選手が蹴る方向に飛べていた。しかし、シュートを止めることができなかった。今村は「5本のうち、自分が1本か2本止めれば、それで絶対に仲間が決めてくれるという気持ちでやれています」と、精神的にもポジティブな状態でPK戦に入れているという。

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