【W杯】英国人記者、日本代表の挽回力に驚き「過小評価されていた」 ドイツ&スペイン撃破で評価一変「思っているより…」

スペイン戦決勝点のビルドアップは、カタールでの森保ジャパンを象徴

 スペインは日本がアジアの格下相手に対してよく見せるようなやり方で、巧みにボールを支配していた。それも森保ジャパンよりも優れたやり方で。コスタリカはそのスペインの才能を十分に味わったことだろう。

 しかし、日本は序盤に失点しながら、その嵐を切り抜けた。そしてその試合だけでなく、グループ全体をひっくり返すような得点を生み出した。堂安律の同点弾は力強く、田中碧が決めたシュートは正確さと意思の強さ感じさせるものだった。

 決勝点のビルドアップは、カタールでの森保ジャパンを象徴するものだった。堂安が三笘薫に向かって放った角度のあるパスは強過ぎたが、三笘は全身の筋肉を駆使してボールをゴール前に折り返した。そこに彼の決して諦めない姿勢が表れた。それはドイツ戦でもスペイン戦でも実を結んだのだ。

 日本は期待と不安が入り混じった気持ちで、クロアチア代表との試合を待っている。ヨーロッパ勢のクオリティーを考えれば、勝てる可能性はある。

 森保ジャパンの激しい戦術変更により、クロアチアのズラトコ・ダリッチ監督は日本がどのようなプレーを見せるのか確信が持てずにいるだろう。クロアチアの選手が自分たちのポジショニングに自信を持てないような、絶え間ない変化が起きないことを願っているはずだ。

 スペイン戦とドイツ戦の勝利はこれからも日本にとって歴史的な日として記憶されるだろう。そのなかでコスタリカ戦の敗戦が異常なものとして見られるかもしれないが、森保監督が月曜日に再び勝利を収めて歴史を作ることができれば、その印象も薄れるだろう。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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