CL王者レアルと好勝負を演じたドルトムント 同点弾の布石となった今季最低「23%」の数値とは

勝負の鍵となったデンベレとダニーロの対峙

 選手同士のマッチアップという面で鍵を握ったのは、「ドルトムントの右サイド vs レアルの左サイド」だ。ドルトムントは序盤こそ左サイドからの攻撃が目立っていたが、前半20分前後から右サイドのMFウスマン・デンベレにボールを渡すケースを増やした。相手の左サイドバックは守備が得意とは言えないDFダニーロ。だが、この日のダニーロはおそらくデンベレ対策を十分に行ってきたのだろう。彼にボールが渡るとともに体を寄せ、2手目の仕掛けをする前にクリアをするシーンが多かった。

 デンベレの身体能力の高さ故に、ペナルティーエリアへ侵入され切り返されると対応できない場面もあったが、この日のデンベレのドリブル成功率は23%と、今季最低の数字を記録させることに成功した(DATA-2参照)。もし、ドルトムントの右サイドバックを務めるDFウカシュ・ピスチェクがオーバーラップを行い、サポートできる状態にあればこの数値は変わっていたのかもしれないが、対峙するレアルのFWクリスティアーノ・ロナウドのカウンターアタックを警戒するため、この試合では守備に専念していた。

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 トーマス・トゥヘル監督は、後半28分にデンベレを下げてMFクリスティアン・プリシッチを投入。ドルトムントは2列目に多くのアタッカーを揃えており、デンベレの交代はいつものパターンの一つだ。

 ただ、この試合においては大きな意味を持った。同じ右サイドに入ったプリシッチはドリブル3回中2回成功。3回ともダニーロと対峙している。特に前半はベンチサイドにダニーロがいたため、彼の守備をチェックし、対峙した際の攻略法を頭に叩き込んでいたのかもしれない。

 

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