ドイツ守護神ノイアーも一目置く鎌田大地、「日本人の価値をこの大会で高めないとダメ」と語った理由
開幕日の午前中にオンライン取材で淡々と回答
カタール・ワールドカップ(W杯)が、いよいよ11月20日に開幕する。現地入りしている日本代表MF鎌田大地(フランクフルト)は、開幕日の午前中にオンライン取材に応じた。
日本は23日にドイツ代表との初戦を迎えるが、日常をドイツのブンデスリーガで戦っている鎌田は、対戦相手にもよく知られた存在だ。GKマヌエル・ノイアー(バイエルン・ミュンヘン)は、日本の警戒すべき選手として、鎌田の名前を挙げた。
そうした警戒を受けることがプレーに与える影響については、「特にないと思います」と言い、「もちろんマンツーマンに付かれたりしたら変わると思いますが、11人いたら誰かしら警戒される。それに、(ノイアーに対して)そういう質問だったので、誰かしら挙げないといけなかったのだと思う。特にそんなに真摯に受け止めるというよりも、『そうなんだー』という感じですね」と語った。
すでに欧州で6シーズンを戦っている鎌田には、これまでのバイエルンと対戦した経験が豊富にある。「ドイツ代表とバイエルンはまた違う」と言う鎌田だが、「自分としてはやっぱりバイエルンとはよくやっていて、見慣れている選手もいる。そういう選手たちのことを身近でやりあったり、知っていたりすることが、ドイツ戦でも生きてくるとは思う」と、日常をドイツで過ごしていることでアドバンテージがあるとした。
カナダ戦に敗れた際には、芝生を叩いて悔しがった鎌田。「試合はどんな試合であれ、もちろん勝ちたいと思う。日本からヨーロッパに行き、より勝負の部分へのこだわりはすごく感じています。トレーニングでも、試合でも、負ければヨーロッパの選手はすごく悔しがる。あのシーンに関しては、ペナルティーキック(PK)をあの時間帯で与えてしまい、入れられたら負けっていう状態でした。しかもノーチャンスじゃなくて、止められそうなボールが入ったので、なおさら悔しかったし、それに負けたので、シンプルに悔しかった」と、その場面を振り返った。
初戦のドイツ戦、日本の不利が伝えられるが、1次ラウンド突破のためにはやはり勝利が求められる。初戦での勝利について鎌田は、「もちろん大事。勝ち点3は欲しい」と言い、さらにそれ以上の意味が、ドイツ戦の勝利によってもたらせると続けた。
「それこそ自分はよく言っているが、自分たちが日本人の価値をこの大会で高めないとだめだと思っている。優勝候補やいいチームに勝つことで、自分たちの世界からの見られ方も一気に変えられる。そういう意味でも、ドイツに勝てたら変えられる。勝ち点3も必要だし、自分たちの価値を高めるためにも大事だと思う」
初戦まで残りの3日間、やらなければいけないことについては「戦術練習」と短く答えた。カナダ戦の悔しさもドイツにぶつけ、世界からの評価を変える勝ち点を取りに行く。
(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)