J2町田、FW鄭大世の今シーズン限りでの現役引退を発表 「夢中で走った17年間に、終了の笛を吹き、終止符を打つ」

町田の鄭大世【写真:Getty Images】
町田の鄭大世【写真:Getty Images】

クラブ公式が発表

 J2のFC町田ゼルビアは10月28日、元北朝鮮代表FW鄭大世が2022シーズンをもって現役を引退するとこを発表した。鄭大世はクラブを通し「エゴイストなくせに馬鹿みたいに繊細で感情的な、こんな僕に関心を持ってくれてありがとうございました」とコメントしている。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

 現在38歳の鄭大世は2006年から10年まで川崎フロンターレでプレーし、その後はドイツのボーフムやケルン、韓国の水原三星で活躍。15年から清水エスパルスに移籍し、アルビレックス新潟を経て、昨季から町田でプレー。すでに今季のリーグ戦をすべて終え、34試合6ゴールとチームを牽引していたが、28日にクラブから今シーズン限りの現役引退が公表された。

 J1リーグ通算181試合65得点、J2でも130試合46得点と各クラブでストライカーとして躍動。2016年にはJ2得点王に輝き、当時の清水をJ1昇格に導いた。また、北朝鮮代表としても33試合15得点の輝かしい成績を記録している。

 鄭大世のコメントは以下のとおり。

「裏山の鶯の鳴き声で目を覚ます。そんな清々しい朝を迎えてた町田での2年間 最後の最後まで。本当に最後の試合まで苦しかった。これを遅くに書き上げた後に夢で、外されてるのに怒鳴られる夢でうなされ、朝思わず加筆した。現実もそんな日常だった。全て伏線だと言い聞かせ、この”痛みや苦しみ”は自分だけの花を咲かせるためだと愚痴りながらも、食らいついた自分と、周りが思う今の質の差にも薄々気がついてたが 年甲斐もなく、まだできる!とギラついてたけど、変わることはなかった。苦しさは変わらずで、こんな歳でも、悔しくて何度も泣いた。でも喜びは、喉が裂けるほど咆哮したあの頃とは、もう違う。同世代に勇気づけられ、ひと回り下に慰められた。歳の半分以下の選手たちと鎬を削った幼き頃、買ってもらったユニの袖のJリーグのエンブレム 太くなった腕の袖のそれを見るたびに、胸が熱くなった。

 何年も前から、今日が最後かもと毎試合トイレに篭り嗚咽を漏らして泣いてた。酸いも甘いも味わい、綺麗事だと思ってたあの言葉も、今なら素直な気持ちで言える。『みんなのおかげ』 こんな性格じゃなかったらもっといい景色が見えたかも?こんなエゴイストだからここまでこれた?違う。みんなの支えで今がある。後悔や、人としての失敗は数え切れないけど はっきりと言える。これが『ベスト』。砂埃舞う大学都リーグ3部からのし上がった、最高に痛快なサッカー人生。多くをサッカーからもらい、今は心が満たされてる。あの頃想像もできなかった舞台で夢中で走った17年間に、終了の笛を吹き、終止符を打つ。悠然と胸を張ってスパイクを脱ぎます。エゴイストなくせに馬鹿みたいに繊細で感情的な、こんな僕に関心を持ってくれて ありがとうございました」

(FOOTBALL ZONE編集部)



page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング