「万能型の素晴らしい選手」 元主審・家本政明氏、レフェリー目線で語る大迫勇也の凄さ…怪我で離脱も“替えのきかない存在”

森保ジャパンの攻撃の中心を担ってきたFW大迫勇也【写真:Getty Images】
森保ジャパンの攻撃の中心を担ってきたFW大迫勇也【写真:Getty Images】

【専門家の目|家本政明】大迫、浅野、板倉らが怪我などで離脱の現状を考察

 森保一監督率いる日本代表が9月に欧州遠征(23日にアメリカ戦、29日にエクアドル戦)を予定しているなか、日本対アメリカ戦で「家本政明ぶっちゃけLABO」というオンライン同時視聴イベントを開催する元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏。この強化試合を迎えるにあたり、森保ジャパンのFW問題、さらにはDF板倉滉が負傷離脱し不安を抱える守備面について語ってもらった。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 これまで1トップとして森保ジャパンの攻撃の中心を担ってきたFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)は負傷で欠場が続き、8月18日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16の横浜F・マリノス戦(3-2)に先発して以来、実戦から遠ざかっている。11月のカタール・ワールドカップ(W杯)出場にも懸念が強まるなか、FW問題に対して家本氏も頭を抱えた。

「そこだと思うんですよね。『大迫の代わりを誰がするの?』という……。彼の動向に注目しつつも、正直、不安要素も感じています。仮に本調子に戻らない時、大迫選手の替えはどうなるのか、システムややり方はどうなるのかという問題はありますよね」

 さらに家本氏は、審判目線で大迫のストロングポイントを挙げつつ、“タイプが近い”とFW上田綺世(セルクル・ブルージュ/ベルギー1部)の名前を持ち出し、持論を展開した。

「大迫選手はボールを収める能力は抜群ですよね。反則をまずしないし、厳しいチャージを受けても簡単には倒れない。だから攻撃にリズムが生まれる。受け方も上手いですし、日本の中で飛び抜けている存在。それだけでなく、ここぞという時は飛び出すこともできる本当に万能型の素晴らしい選手。そういう意味で近いのは上田選手だと思いますが、移籍先ではまだパフォーマンスが上がっておらず、チームで結果を出せていない。そのあたりが代表の試合でどれくらい影響が出てくるのか、ここも不安要素の1つだと思います」

 9月13日にFW浅野拓磨(ボーフム/ドイツ1部)が右膝靭帯断裂の怪我を負い、W杯出場は不透明な状況に陥っている。代表でのFW経験者としては、ほかにフランス1部モナコのMF南野拓実、スコットランド1部セルティックFW古橋亨梧とFW前田大然、ドイツ1部フランクフルトでプレーするMF鎌田大地などがいるが、果たして森保監督がどんな決断を下すのか注目が集まる。

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家本政明

いえもと・まさあき/1973年生まれ、広島県出身。同志社大学卒業後の96年にJリーグの京都パープルサンガ(現京都)に入社し、運営業務にも携わり、1級審判員を取得。2002年からJ2、04年からJ1で主審を務め、05年から日本サッカー協会のスペシャルレフェリー(現プロフェッショナルレフェリー)となった。10年に日本人初の英国ウェンブリー・スタジアムで試合を担当。J1通算338試合、J2通算176試合、J3通算2試合、リーグカップ通算62試合を担当。主審として国際試合100試合以上、Jリーグは歴代最多の516試合を担当。21年12月4日に行われたJ1第38節の横浜FM対川崎戦で勇退し、現在サッカーの魅力向上のため幅広く活動を行っている。

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