「タケの覚醒の年になる」 マジョルカ番記者が見た“ソシエダ久保建英”、新天地での好パフォーマンスをどう捉えたか?

現地紙「マルカ」のマジョルカ担当フアンミ・サンチェス記者【写真:島田 徹】
現地紙「マルカ」のマジョルカ担当フアンミ・サンチェス記者【写真:島田 徹】

ソシエダの環境とこれまでの在籍クラブを比較「能力が生かされているとは言えなかった」

 ソシエダというよりレベルの高いチームで、コンスタントに試合に出ている時点で能力を発揮できる可能性が高まる。また、チームの志向するスタイルが久保にもたらすメリットも計り知れない。サンチェス記者は、有能なタレントが集うソシエダの環境とこれまで在籍してきたクラブとの違いを踏まえ、こう指摘する。

「ダビド・シルバやブライス・メンデス、(ミケル・)メリーノといった中盤のメンバーはリーグでもトップクラスで、久保はゲームメイクや中盤のバランスといったことをあまり意識せずよりゴールに近いところでのプレーに集中できる。マジョルカではチーム一番のタレントで相手のマークが集まるところで守備も含めた(内容の異なる)複数のタスクをこなさなければならなかった。ヘタフェでもほぼ同じところがあったし、ビジャレアルではレベルこそラ・レアルに近いがシステムが違い選手の能力が生かされているとは言えなかった」

 これらの点からサンチェス記者は「今季がタケにとって一番のシーズンになるのではないか。まだ21歳で成長の余地は十分にあるし、その後の地位確立につながる節目になる」と予想している。

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島田 徹

1971年、山口市出身。地元紙記者を経て2001年渡西。04年からスペイン・マジョルカ在住。スポーツ紙通信員のほか、写真記者としてスペインリーグやスポーツ紙「マルカ」に写真提供、ウェブサイトの翻訳など、スペインサッカーに関わる仕事を行っている。

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