「“覚醒”は正しい表現ではない」 横浜FC小川航基、7年目でたどり着いた秘めたるポテンシャル発揮の“スタートライン”
【独占インタビュー】J2リーグ得点ランクトップも「もっといい数字を残せる」と貪欲
横浜FCのFW小川航基はプロ7年目の今季、J2リーグで開幕10戦10発、2・3月度と6月度のJ2月間MVPに輝くなど、J1昇格を目指すチームを力強く牽引している。「覚醒」――。将来を嘱望されながら、葛藤の6年間を乗り越えてたどり着いた境地はそう表現されるが、小川本人は「これくらいはできないといけない」と強い自覚を覗かせている。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史/全2回の1回目)
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1年でのJ1復帰を目指す横浜FCが、2022年シーズンを通して昇格争いを繰り広げられている一番の要因は、今季加入したストライカーの小川が不動のエースとして君臨しているからにほかならない。30試合に出場して記録している18ゴールは堂々のリーグトップだ。
開幕10戦10発のロケットスタートを切ったあと、7試合連続ノーゴール(その間チームも1勝3分3敗)と一度は失速した。しかし、5月25日のJ2第18節いわてグルージャ盛岡戦(3-1)で今季11点目を挙げてリズムを取り戻し、6月11日の第21節ツエーゲン金沢戦(1-1)から怒涛の5試合連続ゴール。今季自身2回目となる6月度のJ2月間MVPに輝いた。
「30試合に出場して18ゴールは、まずまずの結果だと思っています。ただ、思い返してみれば、まだまだ得点できるチャンスはあったし、得点を取れるポジションに入っていくチャンスもたくさんあって、もっといい数字を残せていてもおかしくなかった。チームが悪い時は全然ボールが回ってこないし、逆にチームが良くなれば僕のパフォーマンスも確実に上がる。改善しなければいけない部分はあるので、自信を持つべきところを含めて、バランスを取りながらもっと上を目指したいです」
小川の全18ゴールの内訳を見てみると、利き足の右足で5ゴール、左足で6ゴール、頭で7ゴール。15ゴールは味方にアシストがつき、うち13ゴールはワンタッチで仕留めている。少ないタッチ数でのフィニッシュは、常に意識しているという。
「僕は(利き足の)右足と同じくらい左足も得意で、どんな形からでも得点を取れるのが特徴。昔から練習するように言われてきたので、今にすごく生きています。プロに入ってからはワンタッチゴールを武器にしていますけど、ストライカーはボックス内で枠内にシュートを飛ばすスキルが一番必要で、少ないタッチでゴールにつなげることが現代のFWが評価される部分です。それを体現できているのはプラスに働くし、もっとワンタッチでゴールを決められる場所に入っていって、得点数を増やしていければ、もっと評価されると思います」