J1リーグ「残留争い」、8クラブの前線“火力”チェック 静岡勢で明暗…攻撃力で“頭1つ抜けた”清水に大きなアドバンテージ

最も前線のパワーが足りていない磐田、F・ゴンザレスの爆発的な活躍が不可欠

■17位:ジュビロ磐田
火力7(打開力:3 決定力:2 選手層:2)

 17位のジュビロ磐田はこと前線の“火力”に関して言えば、最もパワーが足りていない。開幕前はエース候補として期待されたFW杉本健勇の不発もあるが、FWジャーメイン良やMF黒川淳史も、ここまでは物足りない。“ラッソ”ことFWファビアン・ゴンザレスも規格外の片鱗を見せて来たタイミングでコンディション不良になり、チームは深刻な得点力不足に陥った。

 突発性難聴という難病に襲われた(病状回復を報告済)FW大津祐樹やF・ゴンザレスは復調して来たが、今のところ前線に補強がなく、FW起用で異彩を放つMF金子翔太を含めて、現有メンバーに命運を託すしかない。追加登録期限は9月2日まであるので、今後の動向次第でサプライズ補強も考えられ、杉本も前半戦よりは得点の匂いが出ては来ているが、やはりF・ゴンザレスの爆発的な活躍が目下、残留の命運を握ると言っても過言ではない。

■18位:ヴィッセル神戸
火力9(打開力:2 決定力:3 選手層:4)

 18位のヴィッセル神戸は日本代表FW大迫勇也やFW武藤嘉紀、MFではあるが決定的な仕事を司るアンドレス・イニエスタなど、単純なタレント力ではJ1でも上位に入る。しかし、サッカーがチームスポーツである以上、それだけでは勝てない。しかも、主力に誰かしら怪我人がおり、前線に限ってもベストメンバーが揃わない状況が続いている。

 とにかくボールは握っても、そこから決定機に持ち込む方法がイニエスタのスーパーパスを除くと、かなり限られる。それでも、高速クロスの名人であるMF飯野七聖(←サガン鳥栖)やパスセンスに優れるMF小林祐希(←江原FC/韓国)らを補強したことで、復調して来た大迫や新外国人のモンテネグロ代表FWステファン・ムゴジャが得点力を発揮すれば、最下位からの逆転残留も見えて来る。

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(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)



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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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