森保ジャパン「カタールW杯メンバー26人」を予想 サプライズ選出は望み薄も「こんなドラマが見られたら」理想なのは?

最終予選メンバーが必然的にメンバー入りか

【GK/3人】
権田修一(清水エスパルス/33歳)
川島永嗣(ストラスブール/39歳)
谷 晃生(湘南ベルマーレ/21歳)

▼サプライズ候補
シュミット・ダニエル(シント=トロイデン/30歳)
大迫敬介(サンフレッチェ広島/23歳)

 正GKは、これまで信頼して使われてきた権田修一から変える必要はない。そして権田に万が一のことがあった時、急に回ってきたピンチに対応できるのは、経験豊かな川島永嗣であることも間違いない。

 問題は第3GKだ。6月の4試合のうち、パラグアイ戦、チュニジア戦の2試合に先発したシュミット・ダニエルへの監督の期待は大きかったはず。ところがパラグアイ戦で1失点、チュニジア戦では3失点と、いずれもシュミットに大きな責任がある点ではなかったものの、ポジションを確保したとまでは言えない結果になった。

 一方で、谷晃生はE-1選手権で最も強敵とされた韓国戦を任せられるなど、招集された3人の中で一番信頼が厚かった。実際、攻められる場面は多くなかったものの、決定的なピンチも1回防いで勝利に導いており、印象はいいはずだ。また、普通なら第3GKに出番が回ってくることは少なく、そう考えると大会の雰囲気などを経験させるためにも、若い谷を選ぶのではないかと考えられる。

 もっとも、2010年南アフリカW杯は、大会直前で調子を上げた川島永嗣が正GKとして大会に臨んでいる。これからの活躍次第では序列が入れ代わる可能性も十分に残っている。

【DF/8人】
酒井宏樹(浦和レッズ/32歳)
吉田麻也(シャルケ/33歳)
冨安健洋(アーセナル/23歳)
長友佑都(FC東京/35歳)
山根視来(川崎フロンターレ/28歳)
板倉 滉(ボルシアMG/25歳)
谷口彰悟(川崎フロンターレ/31歳)
中山雄太(ハダースフィールド/25歳)

▼サプライズ候補
伊藤洋輝(シュツットガルト/23歳)
畠中槙之輔(横浜F・マリノス/26歳)
中谷進之介(名古屋グランパス/26歳)

 岡田武史監督、西野朗監督が4バックを採用しているのを見て、森保監督は日本代表チームでも4バックをベースにすることを決めた。そのため、今回も4バックでそれぞれのポジションに2人ずつ選んでいる。すると、成熟度が高いW杯アジア最終予選の時のメンバーが必然的にそのまま選ばれることになるだろう。

 問題は左サイドをどう考えるか。最終予選で、左アウトサイドに南野拓実を配置した時の考え方はこうだった。

 右サイドで崩して、左サイドから中央に侵入してきた選手がゴールを奪う。そして、左サイドの選手が中央に入ることで空いているところを左サイドバック(SB)が埋める。左SBが出て行った穴はボランチ1枚とセンターバック(CB)のコンビで埋める。

 アルベルト・ザッケローニ監督時代には左サイドの香川真司と長友佑都で崩し、右の岡崎慎司がゴールを挙げるというのがパターンとしてでき上がっていた。現在は左右を逆にして同じ考えをしているが、選手の違いもあり奏功しているとは言いがたい。

 ただし、今回の対戦相手を考えると守備に追われる時間が圧倒的に増えそうなため、守備、特にコンビネーションを考えて選出するのではないか。6月の試合で活躍した伊藤洋輝だが、CBとしてプレーしたパラグアイ戦の後半は連係ミスからピンチを招いた。そのためレギュラー確定とまではいかないこと、選手枠が3人増えた部分をすべて攻撃のオプションに使うだろうと予測している。

 1月、E-1選手権と招集されていた中谷進之介だが、E-1選手権の出場時間を見ると、現時点では畠中槙之輔のほうが序列は上と見られているようだ。

森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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