森保ジャパンの欧州組、新天地移籍の10人「期待度」格付け 久保、伊東が躍動の可能性…「最も厳しい競争」が待つ1人は?

南野拓実、伊東純也、三笘薫、吉田麻也、久保建英【写真:Getty Images】
南野拓実、伊東純也、三笘薫、吉田麻也、久保建英【写真:Getty Images】

【識者コラム】欧州組の中から、今夏新天地へ移籍した10人の「活躍期待度」を5段階評価

 今夏、新天地へ移籍した森保ジャパンの欧州組たちは、新クラブでどの程度の活躍が見込めそうか。今秋のカタール・ワールドカップへの出場が見込まれ、直近のA代表メンバー(最終予選含む)に選ばれた10人をピックアップ。欧州での経験値、リーグへの適応度、各選手の成熟度を踏まえ、「活躍期待度」を5段階評価(最高が5つ星=★★★★★)で格付けして紹介する。

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■南野拓実(MF/リバプール→モナコ)
活躍期待度:★★★★(4つ星)

 欧州屈指の強豪であるリバプールではなかなか出番がなかったが、国内のカップ戦を中心に結果を出してきた。新天地のモナコでは攻撃の主力として期待されるが、2列目のチャンスメーカー的な位置付けになりそうだ。UEFAチャンピオンズリーグの予選3回戦で第1線はPSV(オランダ)と引き分けたが、なんとか本戦出場を果たして、ハイレベルな経験をカタールにつなげたい。

■吉田麻也(DF/サンプドリア→シャルケ)
活躍期待度:★★★(3つ星)

 今夏にボルシアMGへ移籍したDF板倉滉の後釜的な位置付けだが、副キャプテンに指名されるなど、経験豊富な守備の統率者として期待されているようだ。リーグ戦に先立って行われたDFBポカールではキャプテンマークを巻いて登場。4バックの右センターで、ポーランド代表DFマルチン・カミンスキとコンビを組んで、5-0の無失点勝利に貢献した。このままフランク・クラマー監督の信頼を掴めれば、レギュラーとして順調にコンディションを上げていけそうだ。

■守田英正(MF/サンタ・クララ→スポルティングCP)
活躍期待度:★★(2つ星)

 同リーグでのステップアップだけに、信頼度は高い。しかも、スポルティングCPは主力だったボランチが移籍し、タイトル奪取には守田が重要な鍵を握る。ただし、ウルグアイ人MFマヌエル・ウガルテがアピールするなど、プレシーズンマッチの段階で中盤の主力の座が確約されているとは言い難い。日本代表の常連メンバーでは最も厳しい競争が待つ1人だ。

■久保建英(MF/レアル・マドリード→レアル・ソシエダ)
活躍期待度:★★★★★(5つ星)

 古巣レアルに買い戻しの権利は残るものの、完全移籍という形で移籍したことはこれまでと大きく異なる。やはり“借り物”という扱いではなく、レアル・ソシエダの選手として扱われるのは大きい。なにより志向するサッカーのスタイルが久保のテクニカルな特徴を引き出してくれる可能性が高い。右サイドとトップ下の両ポジションでテストされているが、新天地での活躍がそのままカタール・ワールドカップにつながりそうだ。

■上田綺世(FW/鹿島アントラーズ→サークル・ブリュージュ)
活躍期待度:★★★(3つ星)

 開幕戦ではトップ下の起用となったが、第2節は強豪アンデルレヒトを相手に4-2-3-1の1トップでフル出場し、1-0の勝利に貢献した。ファウルでゴールを取り消されたシーンは残念だったが、得点シーンでもワイドに流れて相手ディフェンスの意識を引き付けるなど効果的だった。ゴールという結果が出るのもそう遠くないはずだ。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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