「前半0-0がすべて」 中国人記者が日本戦を分析、中国に自信を持たせてしまった要因は?

日本対中国は0-0のスコアレスドローに終わった【写真:Getty Images】
日本対中国は0-0のスコアレスドローに終わった【写真:Getty Images】

【中国サッカー考察コラム#11】中国の守備陣を崩せなかったことで日本はリズムに乗れず

 サッカーファンのみなさま、こんにちは。中国サッカーメディアにて活動をしている久保田嶺です。7月24日、E-1選手権第2戦で日本対中国の一戦が行われ、私も現地観戦、結果は両チーム無得点の引き分けとなりました。この結果を受けて日本ではネガティブな報道が多く、一方で中国は大いに盛り上がっています。彼らはどう日本戦に臨み、どう感じたのでしょうか。中国人記者へ取材しました。

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「韓国戦とは違い、素晴らしい戦いを見せてくれました」

 こう語るのは、中国サッカーメディア「懂球帝」の薛航(シュ・エハン)記者です。7月20日に行われたE-1選手権第1戦、中国対韓国は0-3となり、内容・結果ともに中国の完敗という形になりました。国内のコロナ対策による影響から今回はU-23世代中心での参加となった中国ですが、韓国戦では若手のホープですでにA代表の中心DFでもある朱辰傑(ジュ・チェンジェ)がオウンゴールをしてしまうなど、非常に厳しい開幕戦となりました。

「若手主体ということで、もちろん簡単ではないと覚悟していましたが、シュートも1本、ボール支配率も75%対25%と厳しい現実を見せられました。そして次の日本戦はより難しいものになる、と私も含めて誰もが予想していました」

 そして行われた7月24日の日本戦。中国代表は4番のDF蒋圣龙(ジャン・シェンロン)を下げ、Jリーグの清水エスパルスや京都サンガF.C.でプレーした3番の吴少聪(ウ・シャオツォン)を先発にし、日本へ臨みました。

 個人的にも日本でプレーしたウ・シャオツォンが日本での日本戦に先発出場することは大変嬉しく、そして結果的にこの采配が当たり、日本はチャンスを作るもゴールを奪えず、前半を0-0で終えます。シュ・エハン記者は、「とにかく前半を0-0で終えられたことがすべてでした」と語ります。

「現在の中国代表は早い時間に先制点を取られると一気に自信をなくしてしまい、そのまま2点、3点と取られてしまいます。特に若い選手が多く、アウェーでの戦いとなる今回ではなおさらです。その点でGKの韓佳奇(ハン・ジァチー)を中心に、ウ・シャオツォン、ジュ・チェンジェ、DF蒋光太(ジャン・グアンタイ)の4枚がよく身体を張って守り、逆に後半ではチーム全体が自信を持ち始めている様子さえ見ることができました」

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久保田嶺

1991年生まれ、埼玉県出身。「Rouse Shanghai Co.,Ltd.」代表。日中スポーツに関する広告や選手/指導者のマネージメントを手掛ける。自身の中国SNSフォロワー数も40万人と中国サッカー界で一番有名な日本人として知られ、日本へ中国サッカー情報を発信する。

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