元なでしこFW大滝麻未が経験した妊娠、出産と復帰への道のり つわり、練習、分娩との向き合い方「当たり前のように産むから引退と思っていた」

苦労した食事面 「食べられないのがしんどくて」

 もちろん、妊娠、出産は人それぞれ。妊婦期間でのトレーニングも人それぞれだ。大滝は、海外の選手もSNSでチェック。かつて自身が所属したオリンピック・リヨンの選手の1人がちょうど同時期に妊娠していたこともあり、「何やっているのかな、これぐらいやっても大丈夫なんだとかはSNSを通してみていた。不安もあるので」と、参考にしたようだ。

 ランニングや水泳でのトレーニングも導入。出産直前の39週でもボールを使った練習は週2、3回取り入れた。できることを、といっても毎日が試行錯誤だった。「もちろん不安はあったし、やりすぎた時は体調悪くなったりもした」と、自分の体に問いかけ、無理をしない範囲で続けてきた。

 そのなかで、食事面では大きな変化があった。

「全然食べられなくて、(体重が)増えなかった。もともと胃下垂で。お腹が大きくなると胃が圧迫されて本当に食べられなくて、すぐお腹いっぱいになってしまった。食べられないのがしんどくて、結果太らずに体もすぐ戻った感覚はあったので、すごく太るよりかは良かったのかなと思うけど……」

 臨月に入ってプラス5.5kgほど。食べられない、という現実は大滝にとって試練でもあった。それでも、マタニティ期間を大きな精神的な波もなく、乗り切れたという。

「私あんまり(精神的な変化が)なくて。心配しすぎてもという感じで、旦那もそんな感じだった。メンタル的なアップダウンはそこまでなかった。サッカーをやっていたのが、よかったのかな。家にずっといて悶々としていたら(夫に)当たっちゃったりしていたかもしれないけど、自分の好きなことをできて、そのために旦那も100%協力してくれてというところもあった。私はサッカーをやっていたことがいい方向にいったと思う」

 いよいよ、出産。出産方法は産後のことも考えて無痛分娩を選択した。

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング