「マルチロールはいらん」 専門家を求めるモウリーニョ新監督がファン・ハールの愛弟子に非情な大ナタ

マタも粛清対象

 チェルシー時代を含めたCBの起用法を見ても、その兆候は明らかなようだ。前所属のチェルシーでは主将の元イングランド代表DFジョン・テリーやギャリー・ケイヒル、強さに速さも兼ね備えた190センチのフランス代表DFクルト・ズマなど長身で対人に強い肉体派のストッパーを好んで起用してきた。1対1に無類の強さを持つスペイン代表DFセサル・アスピリクエタやセルビア代表DFブラニスラフ・イバノビッチをSBに起用するなど守備へのこだわりは相当に強い。

 今夏のユナイテッドの獲得第1号がビジャレアルから獲得したコートジボワール代表DFエリック・バイリーという長身センターバックだったこともモウリーニョ監督の意向が如実に表れていると言えそうだ。ブリントは身長180センチとCBにしては決して大柄ではなく、サイドバックとしても持ち味は守備よりも高い技術を生かしたビルドアップの貢献や高精度のクロスに表れる。指揮官の眼鏡にかなわず、スペイン代表MFフアン・マタと共に放出候補になっている。

 元スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチやアルメニア代表MFヘンリク・ムヒタリアンを獲得するなど今夏も大型補強を続けているユナイテッドだが、新監督が求めるスタイルにフィットしなければ功労者でも容赦なく放出に踏み切るようだ。2012-13シーズン以来となるリーグ制覇へ向けてその本気度がうかがえる激動のオフシーズンとなりそうだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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