2022年「A代表入り」期待のJリーガー候補を厳選 森保Jへ“推したい”筆頭株は?
アジア予選未招集のJリーガーの中から今年の活躍と期待度から”推薦”
Jリーグも2021年シーズンが閉幕した。来年はいよいよW杯イヤーとなるが、これまでと異なり冬に開催される。日本代表にとってはアジア最終予選を突破することが先決となるが、22年にA代表入りが期待されるアジア予選未招集のJリーガー候補を、今年の活躍と期待度から”推薦”する。
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候補者の筆頭は荒木遼太郎(鹿島アントラーズ)だ。パリ五輪世代の19歳は今シーズン10ゴール7アシスト。元日本代表FWの城彰二氏が達成して以来となる10代での二桁得点も素晴らしいが、鎌田大地(フランクフルト)も表現する”ゴールスコアリングポイント”として2つを合計すると17ポイントとなる。
点を取れて、取らせることもできるアタッカーは高度な技術に加えて、状況判断にもセンスを感じさせる。彼がもし日本代表に入ってくれば、鹿島のチームメイトであるFW上田綺世がより生きてくるかもしれない。前線と中盤のどこでもこなせるマルチな選手だが、日本代表ではトップ下の適性が高そうだ。また正確なキックは徳島ヴォルティス戦(第24節/3-0)で決めたような直接FKやCKでも生かされる。
唯一のネックは同ポジションにタレントが多いことで、欧州組では久保建英(マジョルカ)や鎌田、南野拓実(リバプール)、三好康児(アントワープ)などもライバルになる。ただ、コンビネーションを駆使しながら局面で個の力が必要になってくる日本代表のアタッカー陣には持って来いのタレントだ。
東京五輪を経験した相馬勇紀(名古屋グランパス)は今後どこかでチャンスをもらえる可能性が高い。五輪の直後は疲労の影響もあってか、名古屋でも出場時間が限定されていたが、9月下旬からの9試合中6試合に先発。本職の左サイドハーフから存在感のあるプレーを見せて、8アシストを記録した。もともと馬力があり、攻守にハードワークをしながら鋭い仕掛けを繰り出せる特長は三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)とも違い、3バックを採用する場合はウイングバックとシャドーで併用も可能だ。
金子拓郎(北海道コンサドーレ札幌)は機敏性と左足を武器に攻撃的なサッカーを牽引した。強豪クラブから引くて数多との噂もあるが、7ゴール2アシストは内容に見合った結果ではない。さらにゴール前での怖さを高めて、明確に数字を伸ばして行くことを期待したい。
そのほか、アタッカーではJ2の最終節で10得点目を記録し、生粋のストライカーとして注目される植中朝日(V・ファーレン長崎)、MF登録ながらJ2で13得点を記録するなど、抜群のシュート力で存在感を放つ上門知樹(ファジアーノ岡山)、J1初挑戦で9ゴールをあげるなど、大型ストライカーとして順調に成長を続けるFW山下敬大(サガン鳥栖)など、来年の活躍次第で代表レベルまで評価を上げそうな選手たちもいる。
中盤では来年、大卒2年目となる橘田健人(川崎フロンターレ)がどこまでJ1王者で存在感を示せるか注目したい。今年はルーキーながら高度な技術と観察眼で複数のポジションをこなし、過密日程や田中碧(デュッセルドルフ)が移籍した穴を埋める縁の下の力持ち的な働きでリーグ優勝に貢献した。来年はハイレベルなメンバーの中でポジションを確立できれば、代表も自ずと近くはずだ。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。