【月間表彰】プレー途中で変えた判断 栗原勇蔵×登里享平対談…数十秒間に頭を巡った思考

「途中で判断を変えられる選手はいい選手」 栗原氏も「レベルが高い」と唸る

栗原 選出シーンは、第31節FC東京戦の前半終了間際、簡単に言えばレアンドロ・ダミアン選手のゴールをアシストしたシーンなんですが、これはもう「素晴らしい!」と感じました。最初はインナーラップでなかでボールをもらおうと思っていて、そういう動きをしていると思うんだけど、途中で判断を変えて、オーバーラップで外側を回りましたよね?

登里 はい。

栗原 それでタイミングよくマルシーニョ選手とのコンビネーションでボールをもらって、その時にはもう中の様子を確認していると思うんだけど、レアンドロ・ダミアン選手がいることをチェックしたうえで、完璧なボールを上げたと感じました。登里選手らしい素晴らしいプレーでした。

登里 めちゃくちゃ嬉しいですね。大変光栄に思います。このシーンですが、最初は栗原さんがおっしゃったように、相手のサイドバックがマルシーニョと完全に1対1の対応の姿勢になったので、インナーラップをかけようかと思っていたんです。でも、FC東京の森重(真人)さんが距離を詰めてきたのと、相手のサイドバックの選手が1対1を仕掛けてきそうになっていたので、受け渡しが難しくなるかなと思いました。それでタイミングを狙って自分でもボールを引き出せたので、外からのランニングに変えました。自分でもイメージ通りにできたプレーだったので、すごく気持ちが良かったですね。

栗原 レアンドロ・ダミアン選手へ上げたクロスについてはどうですか?

登里 ダミアン選手へのアシストに関しても、ダミアンだったら点で合わせてくれるかなと思って上げました。それで思いどおりのクロスを上げられたので、このゴールは本当に自分の中でもすごく深いというか、思いがあるアシストでした。

栗原 本当に素晴らしいゴールですね。でも、ボールがちょっとでもズレていたら、たぶん決まらなかったんじゃないかなと思うし、登里選手が上げたボールの強さとコース、そして角度もすごく良かったんじゃないかなと見ていて思いました。的はデカいとはいえ、なかなか簡単なクロスではなかったと思います。

登里 はい、そうですね。意外にマルシーニョからのパスも雑だったので(苦笑)。でも、それで選択肢が限られたというのがあります。だから、そこも良かったのかなと思います。

栗原 なるほどね。中から外へランニングを変えたのもそうだし、都度、判断を変えられるのは凄いと思いますね。やっぱり途中で判断を変えられる選手はいい選手だと思うし、それがランニングといい、パス、クロスといい、ギリギリで判断を変えたりしているので、レベルが高いと感じました。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング