横浜FC、J1残留争いで天国から地獄へ暗転 海外助っ人がもたらす“恩恵”と“理不尽さ”

外国籍選手枠をフル活用した横浜FC、皮肉にも相手の外国籍選手のパワーに屈する

 もともと今季の横浜FCは、3年目を迎える下平隆宏監督体制でポゼッションサッカーをさらに熟成させ、10位以内に入りJ1定着を目標としていた。しかし開幕から低迷し、監督交代を経て、クラブはポゼッションサッカーへのこだわりを捨て、夏に守備陣と前線に外国籍選手を大量補強してJ1残留を目指した。8人もの外国籍選手を擁し、そのパワーで順調に勝点を積み重ねていた福岡は、その1つのモデルとも言えた。

 実際に彼ら外国籍選手が合流後の横浜FCは、1試合平均の勝点が1.23と、中位クラスとは言えないが下位の上クラスの成績を収めている。この試合では初めてスタートから外国籍選手枠をフルに使った。「彼らにはトレーニングからすごくパワーがみなぎっていた。そのパワーを遺憾なく発揮してくれることを期待した」と早川監督は言う。先制ゴールは、そのアルトゥール・シルバのミドルシュートのこぼれ球を、フェリペ・ヴィゼウが頭で押し込んで生まれたものだった。

 しかし皮肉にも、自らの先制ゴール同様に、相手の外国籍選手のパワーに屈する形で追いつかれた。勝点3に値する内容の試合だっただけに、あまりにも理不尽な結末。しかし、もし1-0のまま試合が終わっていたら、福岡の監督や選手は「チャンスはほとんど作らせなかったが、相手の外国籍選手のパワーにやられた」と振り返ったはずだ。他ならぬ横浜FC自身が、そうした外国籍選手のパワーに頼る形のチームとなっている以上、その理不尽さも受け入れざるを得ないだろう。試合後の指揮官は、赤く充血した目で「すべて自分に責任がある」と声を振り絞った。

 これで3試合を残し、残留圏との勝ち点差は6のまま。得失点差はマイナス40と絶望的な数字で、次節の清水を含めた結果次第では、J2降格がほぼ確定的となる。「可能性がある限り最後まで戦うことを誓います」。自らを奮い立たせるように、早川監督は試合の総括を結んだ。

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