“ボランチ“ルーニー覚醒へ イングランドを勝利に導いた最上級のゲームメイクと、主将としての覚悟

イングランドが2-1でウェールズに逆転勝利

 絶体絶命のスリーライオンズの息を吹き返させたのは、”ボランチ”の主将ウェイン・ルーニーだった。

 イングランドは16日、欧州選手権(EURO)のグループステージ第2節でウェールズと対戦し、後半アディショナルタイムの劇的決勝弾で2-1と逆転勝利を収め、決勝トーナメント進出へ近づいた。その貴重な勝ち点3は本来のFWではないポジションで起用された背番号10の献身によって導かれた。

 今大会屈指の注目カードであるウェールズとの「英国対決」は前半41分、FWギャレス・ベイルの衝撃的な30mブレ球FK弾で先手を取られる展開になった。イングランドとしては初戦のロシア戦から導入している4-1-2-3システムがこの日も機能せず、低調な内容で前半を折り返した。

 するとロイ・ホジソン監督は後半頭からカードを切ることを決断。FWジェイミー・ヴァーディ、FWダニエル・スターリッジを投入し、4-2-1-3システムに変更。ヴァーディが最前線に配置され、右ウィングにスターリッジが入り、右にいたMFアダム・ララーナがトップ下に、インサイドハーフのMFデレ・アリが左ウィングに入った。

 そして同じくインサイドハーフでプレーしていたルーニーも、さらにポジションを下げる。本職のFWから2列後ろのボランチの位置に立った。

 代表通算52得点とイングランド最多得点の新記録を樹立しているルーニーをボランチで使うという思い切った策だったが、両サイドをワイドに使うゲームメイクも冴え渡り、イングランドが怒涛の攻撃を見せ、ウェールズを圧倒し始める。そして後半11分、ヴァーディが同点弾を決めると、後半アディショナルタイムにスターリッジが土壇場で決勝点を奪い、今大会初勝利を手繰り寄せた。

 

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