日本代表が避けたい“レアルの轍” W杯アジア予選でも起こりうる番狂わせ

日本はCLのレアルほどの立場にはないかもしれない

 ワールドカップ(W杯)に置き換えてみよう。日本の立場はCLでのシェリフよりはだいぶマシなはずだ。これまで3回もベスト16に進出している。まったくのアウトサイダーというわけではない。シェリフがレアルに勝つより、日本が強豪国に勝つ確率のほうが高いはずだ。その時には堅固な守備と少しの運は必要だろうが、奇跡が起こらなくても勝つチャンスはある。

 W杯予選ではどうか。日本はアジアの強豪国だが、すでに最終予選の初戦でオマーンに負けている。日本はCLのレアルほどの立場にはないかもしれない。つまり、オマーン戦のような結果はこの先も起こりうる。

 レアルに勝ったからといってシェリフが今季CLの優勝候補に格上げされることはない。優勝の可能性でいえば、シェリフより断然レアルだ。同じようにアジア予選を突破するのはオマーンより日本のほうが可能性は高い。W杯で日本がベスト8やベスト4まで勝ち上がっても不思議ではないが、グループリーグ敗退のほうが現実味はある。
 
 サッカーでは小が大を食う試合は珍しくない。一方で、ジャイアントキリングを起こし続けるのは難しく、それができるなら実力を過小評価されていたにすぎないケースがほとんどだ。毎回、予選のたびに「アジアは簡単ではない」という。だが、それを言うならサッカーで簡単な試合などないのだ。決定機を外し続ければ、どんな試合でも難しくなる。自分たちで難しくしてしまう。日本はまずアジアでレアルの轍を踏まないように注意しなければならない。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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