「自滅した」清水、6戦未勝利に見えた“積極補強”のジレンマ 攻守に足りない“積み重ね”

過去にない強化費を投じるも…緻密なロティーナサッカーで機能しきれず

 今季の清水は新たにロティーナ監督を招聘し、イチから新戦術に取り組み出した。現在の清水所属の選手(2種登録、特別指定選手除く)は30人。そのなかで開幕前に新加入したのが9人、この夏の5人と合わせれば、ほぼ半分が新加入選手。そして、この試合ではまだ練習に合流してから2週間ほどの夏に加入した選手も先発出場していた。

 もちろん、能力が高い選手たちなので順応性も優れて、難しい戦術も短期間で理解できるのだとは思うが、簡単にチームとして機能するのかは別問題であり、特に個で戦う戦術でない緻密なロティーナサッカーは「1ミリも狂わないポジションを求められる」と言われ、ピッチの11人が連動した動きをしなければ守備も攻撃も成り立たない。まさにこの試合では、それが逆の意味で証明されてしまったのだろう。積み重ねと経験がチームとしての強みとなるが、今の清水にはまだまだそれが足りていない。

 過去の強化担当者や監督たちが羨むほどの強化費を費やし今シーズンに獲得した選手たちの個の能力を疑う余地はないが、チームとしてその力を発揮するまでにはいまだ至っていない。ただ、4チームが自動降格する特別なシーズンも残り12試合となり、悠長なことは言っていられない時期と順位になってしまった。

 昨季は降格がなかったとはいえ、5連敗を2度、7連敗を喫しても最終順位は16位と自動降格圏をギリギリ脱出してシーズンを終えている。GK権田修一は加入時に「一度目の5連敗時に何かを気付かなければいけない」と昨年のチームに対して苦言を呈していたが、今、まさに6試合勝ちなしで降格圏一歩手前の16位となったチームに対して、何か行動を起こしてくれていることだろう。

 何も恐れることはない。仲間を信じて次節からの上位との対戦では、まずは開幕当時の組織的な守備で最少失点に抑えることが勝利へ繋がると信じている。

(Sの極み・下舘浩久 / Hirohisa Shimodate)


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