「自分の限界を作らない」 町田MF吉尾海夏、“得点力覚醒”を呼んだ心境の変化

マラドーナや中村俊輔に憧れ、左足の精度を磨いてきた【写真:ⓒFCMZ】
マラドーナや中村俊輔に憧れ、左足の精度を磨いてきた【写真:ⓒFCMZ】

「お前ならもっとできる」…ポポヴィッチ監督からの叱咤激励に奮起

 吉尾と言えば、左足から繰り出す高精度のキックを武器とする。愛媛戦では、前半41分にペナルティーアーク内から鮮やかな左足ミドルを決めてハットトリックの口火を切った。吉尾は自身のキックの特長について、「体の大きさの割に、重いボールを蹴れると思っています」と語る。

「物心つく前までは、親に(元アルゼンチン代表MFディエゴ・)マラドーナのDVDを見せられて、それを真似していたイメージ。小学校高学年くらいになってから、(現・横浜FCの元日本代表MF)中村俊輔選手のプレーを見たいと自分から言っていたのを覚えています。中村俊輔選手のプレーを間近で見たこともあるし、盗もうとも思いましたけど、あれは真似できない(苦笑)。自分は(身長168センチ・体重63キロと)そんなに体の大きな選手ではないですけど、重みのあるボールを蹴れると思っていて、それも一つの武器です。愛媛戦の1点目は、蹴った瞬間に入ったという良い感覚がありました」

 ランコ・ポポヴィッチ監督からの期待も大きく、常に叱咤激励を受けているという。

「自分の中で良いプレーができたと思った試合でも、『お前ならもっとできるし、こんなもんじゃない』と常に言ってくれます。そういう声を掛けてくれているおかげで、自分の中でもまだ限界が見えないし、もっともっと上に行ける、やれるんだなと思わせてくれます」

 現在暫定8位(12勝6分8敗)の町田は、29日に勝ち点3差の6位甲府と対戦予定。順位を上げ、自動昇格圏内を狙ううえでは、絶対に落とせない一戦だ。吉尾も「“6ポイントゲーム”とよく言いますけど、それくらい大事なゲームだと思います」と意気込む。

「ここ3試合なかなか結果が付いてこなくて、チームとしてここから下に落ちていくのか、上に食らいついていくのか、次の試合がすごく重要になる。ラストパス、シュート、ゴール前での最後の質が欠けていたと思います。自分のところでもチャンスはあったなかで、質を高めていけていたら、3試合で3勝していてもおかしくなかったかなと。あとはチームとして先制した時に、受け身に回るのではなく、2点目、3点目を奪いに行くようなサッカーを全員でやらないといけない。中断前まではそれができていたと思うので、もう一度みんなで感覚を思い出しながら、一丸となって90分戦い切りたいです」

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