吉田が好守連発! 耐える日本、スペイン相手に気迫の守備…メダル懸けた一戦は延長戦へ

試合は延長へ【写真:AP】
試合は延長へ【写真:AP】

勝てば53年ぶりのメダル獲得、スペインに攻め込まれるも集中した守備で凌ぐ

 東京五輪のサッカー男子準決勝が3日に埼玉スタジアムで行われ、U-24日本代表とU-24スペイン代表の一戦は、両者ともにゴールを奪えずに90分間を終了。決勝への切符をかけて15分ハーフの延長戦に突入した。

 両者は本大会前の7月17日にも親善試合で対戦し、その時には1-1で引き分けていた。日本は出場停止から復帰したオーバーエイジのDF酒井宏樹が右サイドバックに入り、逆にこの試合が出場停止のDF冨安健洋のところにはDF板倉滉が入った。左サイドバックはDF中山雄太が起用され、DF旗手怜央は左サイドハーフに起用された。

 序盤からスペインがボールポゼッションを高め、日本はMF久保建英を中盤の守備に参加させて速攻を狙うのが基本的な構図になった。日本は1トップで起用されたFW林大地がスペインのDFエリック・ガルシアとDFパウ・トーレスを相手にしながらも必死でボールキープする場面を作り、そこに後ろからフォローする形で活路を見出しにかかった。

 互いにゴール前でのビッグチャンスを作るには至らない試合展開も、徐々にスペインの攻撃により日本は自陣に押し込まれる時間が長くなった。前半31分には左右を広く作った攻撃からFWミケル・オヤルサバルにペナルティーエリア内でシュートを許すも枠外。逆に日本も中山のラストパスからニアサイドにMF遠藤航が飛び込んでシュートを狙うも枠外。同39分には、スペインFWラファ・ミルが抜け出すもGK谷晃生が好セーブを見せて、両者ともゴールを奪うことはできず0-0でハーフタイムを迎えた。

 後半に入りオープンになり始めたゲームは10分、右サイドからのクロスを胸トラップした相手MFミケル・メリーノに対して吉田がスライディングでブロックに行ったところ、PKの判定になった。しかし、実際に吉田は先にボールにコンタクトできており、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の進言で映像確認がされるとPK判定は取り消しになった。ギリギリのところで経験豊富な吉田がクリーンなプレーでピンチを防いだ。

 森保一監督は同20分、林と旗手に代えてFW上田綺世とMF相馬勇紀を投入し、決勝ゴールを狙いにいった。スペインにゴール前へ迫られる場面も増えたが、同33分には久保がペナルティーエリア内で左足シュートを放つ場面も作った。それでも両者ともに決勝ゴールは奪えず、このまま90分間を終了して延長戦へと決着を持ち越した。

 両チームとも準々決勝に続く延長戦となり、中2日の連続で5試合目という状況からも、日本にとっては史上初の決勝進出、53年ぶりのメダル獲得を懸けた一戦は文字通りの“死闘”と言える15分ハーフになりそうだ。

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