「日本サッカーの概念を変える」と絶賛した選手は? メキシコ戦出場14人を金田喜稔が採点

2連勝でグループAの首位にたつ日本代表【写真:Getty Images】
2連勝でグループAの首位にたつ日本代表【写真:Getty Images】

強豪メキシコに2-1で勝利、FW林の「守備面での貢献度は計り知れない」

 U-24日本代表は25日、東京五輪グループリーグ第2戦でメキシコと対戦し、2-1と勝利した。難敵相手に前半11分までに2ゴールを奪って試合を優位に進めた日本は、終盤に1点を失ったものの理想的な試合運びで2連勝スタート。グループリーグ突破に大きく近づいた戦いぶりを、識者はどのように見たのか。
 
「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した14選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で採点した。後半23分にメキシコDFヨハン・バスケスが退場になるまで「完璧だった」と日本の試合運びを称え、ゴールを奪ったMF久保建英とMF堂安律、攻守の要となったMF遠藤航、貫録の守備を見せたDF酒井宏樹の4人に満点の“5つ星”評価。一方で2-0とリードし、1人多い状況ながらあわや同点という状況まで持ち込まれた終盤の戦いに、途中出場の選手の生かし方を含めてチームとして課題を残したと指摘した。

   ◇   ◇   ◇

<FW>
■林 大地(サガン鳥栖/→後半34分OUT)=★★★★

 守備時にトップ下の久保が相手のアンカーを見たため、林には広いエリアをカバーする運動量が要求されたが、献身的に動き続けた。チーム全体の連動した守備を引き出した点で、その貢献度は計り知れない。また攻撃になれば2列目3人のそれぞれの特長を把握しながら、しっかりとポストプレーもできる。“5つ星”をあげたいくらいの働きだが、やはりストライカーとしてゴールは欲しい。当初の18人枠に入れなかったFWがコロナ禍による特例でメンバー入りし、チャンスを生かして今や外せない選手になっている。五輪のような短期決戦では、こうした“ラッキーボーイ”の存在は重要。彼のひたむきに戦う姿は観る者の心を動かしているはずで、チームの士気をさらに高めるうえでもフランス戦での得点に期待したい。

<MF>
■相馬勇紀(名古屋グランパス/→後半20分OUT)=★★★★

 初戦はベンチスタートとなったなかで五輪初先発。前半11分のPK獲得につながる縦への仕掛けとクロス、守備時には献身的な上下動で後方の中山やボランチの田中、遠藤らを助けた。監督から求められる自らのベストなプレーを、惜しみなくピッチ上で発揮できる選手だと改めて感じた。計算できる存在として、次のフランス戦でも重要な役割を担うはずだ。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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