日本人差別疑惑で「経済的打撃の可能性」 バルセロナへの余波を現地メディア指摘
デンベレ&グリーズマンの差別疑惑によるクラブ側への“追い打ち”をスペイン紙報道
スペイン1部バルセロナに所属するフランスFWウスマン・デンベレと同代表FWアントワーヌ・グリーズマンが、日本人に対して差別的な言動をしたとされる騒動の余波は拡大している。クラブ側も現地時間7日に公式声明を発表する事態となったなか、スペイン紙はスポンサーである楽天グループからも失望を表明されたことを踏まえ、経済的苦境に瀕する可能性を指摘した。
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今回の騒動は英紙「デイリー・メール」などが報じたもので、2019年夏にバルセロナのプレシーズンツアーで来日した際のものと見られる映像がSNS上に流出したのが発端。宿舎となっていたホテルの部屋でデンベレとグリーズマンが日本人スタッフの容姿や言葉を侮辱した言動が収められていたとして、世界各国で波紋を広げている。
こうした状況を受けて、2017年からバルサのスポンサーとなっている楽天グループ代表の三木谷氏が、6日にツイッターで声明を発表。「FCBの選手が差別的発言をした事について、クラブのスポンサーまたツアーの主催者としてとても残念に思います」と記したうえで、「楽天はバルサの哲学に賛同し当クラブのスポンサーをしてきただけにこのような発言は、どのような環境下でも許されるものではなく、クラブに対して正式に抗議すると共に見解を求めていきます」と、クラブに対して抗議することを表明していた。
現在バルセロナは不安定な財政状況にあるとされ、先月末でフリーとなったエースFWリオネル・メッシの契約更新が依然として公にされていないのも、この問題が一因だとされている。そうしたなかで、デンベレとグリーズマンによる人種差別疑惑が発覚し、スポンサーである楽天の失望を買うものだったことから、スペイン紙「マルカ」は「カタルーニャのクラブにさらなる経済的打撃をもたらす可能性もある」と報じた。
記事ではバルセロナがどちらか一方、または両選手の売却へ踏み切る可能性も綴られているが「他のクラブがイメージへの影響を懸念している場合は、売却が難しくなるかもしれない」とも指摘。とりわけ、グリーズマンに関しては高賃金やクラブでのパフォーマンスから”売却困難”とされ、今回の騒動に関しては「クラブの将来にとって重要な数週間の間に、この問題はなくても良かったのではないだろうか」と批判した。
デンベレとグリーズマンはすでに侮辱的発言に対し謝罪しているものの、グリーズマンは株式会社コナミと締結していたカードゲームのアンバサダー契約を解除されており波紋は拡大。2人の問題行動は皮肉にも、経済的に苦しむバルセロナに追い打ちをかけるものになってしまうかもしれない。
(FOOTBALL ZONE編集部)