「助っ人という感覚」 U-24代表に浸透する“OA効果”、“強力トリオ”が示した格の違い

U-24日本代表の中盤を支えるMF田中碧とMF遠藤航【写真:Getty Images】
U-24日本代表の中盤を支えるMF田中碧とMF遠藤航【写真:Getty Images】

“エース”として期待の久保もOA効果に言及 「大人のサッカーになり、レベルも上がる」

 ポイントとなるのは、短い準備期間のなかでどれだけOA枠の選手たちがチームに溶け込めるかだが、今回のU-24日本代表にはA代表経験者も多く、過去の五輪代表と比較しても、その点はスムーズだ。ジャマイカ戦では、OAの3人に加えて、田中もフル出場した。その理由として、交代枠の上限やMF板倉滉不在の影響も考えられるが、攻守の軸となるボランチに入る遠藤と田中のコンビを熟成させる狙いもあったはずだ。

 4-0と快勝したジャマイカ戦後、遠藤は「まだミスは多いし、もう少し攻撃の形は作れたと思います。足が止まった部分もあるのでやりきらないといけない」と、反省を述べた。それでも田中とともにゲームをコントロールしながら、周囲と連動してU-24代表初ゴールを記録。右サイドバックの酒井も、相手の攻撃を寸断すると、豊田スタジアムからは『さすが』というような驚嘆のどよめきが起きた。U-24ガーナ戦のような見せ場はなかったが、吉田も最終ラインを統率しながら、4バック、3バックの両方に対応できる柔軟性を披露。セットプレーの際には積極的にゴールを狙い、高さが武器になることも示した。

 左サイドバックで出場したMF旗手怜央は、遠藤がゴールを決めた際、フリーランニングでマークを引きはがす役割を果たした。OAの選手たちと共演した試合を振り返り、「すごく楽しくできました。多少、緊張もありましたが、オーバーエイジの選手、A代表の選手と一緒のピッチでプレーできたのは、僕自身楽しかった。本当によかったなと思います」と、好印象を語った。

 また、ガーナ戦後もOA効果を語った久保は、「オーバーエイジ3人が入ることによって試合が面白くなるし、大人のサッカーになるし、よりレベルも上がる」「すごくレベルの高い3人が入ったことで、自分たちの底上げにもつながります。融合というよりは、助っ人外国人という感覚。3人の選手にはプレッシャーもあるかと思いますが、そんなプレッシャーも気にならないような試合を普段からやっていると思うので、自分たちは力を借りて、(登録メンバーに)選ばれた選手が一緒に戦えればいいと思います」と、このOA3選手がチームの軸になっていくことを歓迎した。

 ガーナ戦に続いて2試合連続ゴールを決めた堂安も「金メダルしか狙っていない」と、いよいよ近づいている本大会に向けてコメント。日本がサッカーでメダルを獲得したのは、1968年のメキシコ五輪が唯一となっている。チームの戦力を高める、頼れるOAトリオを加えた東京世代は、歴史を塗り替えることが期待される。

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