“失明危機”から復活の31歳DF、NZ強豪に加入決定 クラブW杯にも出場「問題なくプレーできる」
5月に右目負傷の事故にあったDF松本光平、失明危機を乗り越えて強豪に加入決定
今年5月中旬、“失明危機”に陥ったDF松本光平がニュージーランドの強豪オークランド・シティに加入することが決まった。来年2月にカタールで開催される予定のFIFAクラブワールドカップ(W杯)のメンバーにも選出。6月に日本で手術を受け、右目はほとんど見えないため、競技用眼鏡をかけながらプレーしているが、再び世界に挑戦する切符を手に入れた。
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松本は、昨年12月に開催されたクラブW杯にオセアニア王者ヤンゲン・スポール(ニューカレドニア)の一員として日本人唯一の出場を果たした。だが、今年5月中旬に悲劇が松本を襲う。新型コロナウイルスの影響を受けてニュージーランドの自宅で自主トレーニング中に事故に遭った。ガレージの壁に取り付けたチューブを使って鍛えている時、留め具が外れて右目を直撃。左目にもチューブが強打した。ハミルトンの病院では「手の施しようがない。視力が戻ることはもうない」と宣告され、帰国後に横浜の眼科を受診。「回復する可能性は1%か2%」と言われたが、二つ返事で手術を決意し、右目の“失明危機”と戦うことにした。
6月8日、無事手術を終えた。松本は“1%の可能性”に打ち勝ち、失明は逃れたが、右目はほとんど見えず、左目もぼやけている状態。それでも、暗闇からわずかな光が見えた。日本で治療を受けながら、懸命にリハビリ。徐々にボールも蹴られるようになった。現在は、競技用眼鏡をかけながら、大学などで練習を重ねている。松本自身、両目が不自由ながらも「もう問題なくプレーできる。フィジカルも9割ぐらい戻った」という。
もともと、オセアニアを中心に様々な国を渡り歩いてきた。セレッソ大阪ジュニアユースからガンバ大阪ユースに移籍し、高校卒業と同時にイングランドへ渡り、2012-13シーズンからブリスベン・ロアー(オーストラリア)、14年にオークランド・シティ(ニュージーランド)、15年には当時元スペイン代表FWダビド・ビジャが所属していたニューヨーク・シティFC(アメリカ)に練習生として参加。ビジャの運転する車でグラウンドに行くこともあった。その後もニュージーランド、フィジー、バヌアツやニューカレドニアなど様々な国で経験を積んだ。