岡崎慎司は「クラブの象徴の1人」 ウエスカ地元記者を直撃、日本人FWの“熱意”に期待

ウエスカの地元紙「エラルド」のエミリオ・ラジャ記者【写真:高橋智行】
ウエスカの地元紙「エラルド」のエミリオ・ラジャ記者【写真:高橋智行】

地元紙のラジャ記者「今日はゴールを決めるために彼が必要だった」

 武藤は後半20分からピッチに入り、最初は4-2-3-1のワントップ、途中から4-4-2の2トップの一角でプレーした。前線で相手DFやGKとハイボールを激しく競り合う場面があったが、ほとんどボールに触れることができない厳しい状況が続いたまま試合終了。メンディリバル監督の戦い方に、まだ完全には溶け込めていない印象を与えた。

 エイバルの地元紙「エル・ディアリオ・バスコ」は、この日の日本人2選手のパフォーマンスについて、次のように評価した。

 乾に関して、「エイバル第1期時代の最後のシーズンに近いレベルの高いプレーを見せていた最近の試合に比べ、今日のパフォーマンスは良くなかった。常に重要なことをしようという意欲を示したが、上手く顔を出せず、攻撃に絡んだ数回以外はほとんどチームに貢献できなかった」と評し、2点(最高5点)と低い評価をつけた。武藤については、「最初の交代出場選手となり、見せ場を作るのに十分な時間があったが、その姿を見ることはできなかった」と酷評し、1点をつけている。

 試合後、ウエスカの地元紙「エラルド」のエミリオ・ラジャ記者を現地でつかまえて話を聞いた。

 対戦相手だったエイバルの日本人2選手のプレーについては、「イヌイはアクティブに動き、エイバルの攻撃の中心になろうと努め、チーム最初の決定機のチャンスを掴んだ。スペインに来てから大きく成長しているし、エイバルにとって重要な選手になっているよ」と称賛した一方、「ムトウは後半途中から出場したが、あまり姿を見ることができなかった。まだ上手くチームにフィットしていないんだと思う」と指摘した。

 また、今季の岡崎のパフォーマンスについては次のように語っていた。

「ウエスカ入団前やスペイン初挑戦となった昨季抱いていたスペイン1部リーグでプレーしたいという熱意を、1部昇格を成し遂げた今でも持ち続けている。今日はゴールを決めるために彼が必要だったと思う」と、その情熱がプレーに表れていることを強調し、決定力不足解消のためには岡崎の力が必要であることを訴えた。

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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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