J3から“212日間”でマンC移籍 食野亮太郎、“逆襲の1年”で確信「自分の強みは通用する」

G大阪時代の食野【写真:Getty Images】
G大阪時代の食野【写真:Getty Images】

「This is 食野」ゴール誕生の瞬間…ハーツでも貫いた“らしさ” 「自分の形に入ったら…」

 0-3で迎えた後半アディショナルタイム。MF遠藤保仁に代わって後半の頭から投入された食野は、敵陣中央でパスを受けると、迷わずにドリブルを開始。背後からチャージを受けながらも、対峙した相手DFを鋭い切り返しで置き去りにする。さらにペナルティーエリア手前では5人の選手に囲まれるも、スライディングタックルを右足アウトサイドの軽やかな持ち出しでかわし、右足を一閃。強烈なJ1初ゴールが突き刺さった。

 この一撃は日本列島だけではなく、世界に衝撃を与えた。プレミアリーグの強豪シティのターゲットとなり、8月9日には完全移籍が決定。19年シーズン、U-23の一員だった始動日からたった212日間だった。そして、このゴールは「This is 食野亮太郎」とも言える豪快な一発。海を渡ったハーツでも通用することを実感した。

「ピッチ外で感じたことは、自分のキャラはどんどん周囲の雰囲気に入っていける、受け入れてもらえやすいこと。輪に入っていくことが苦じゃないタイプなので、受け入れてもらえたし、海外に行っても全然(コミュニケーションは)問題ないなと思いました。ピッチ内ではドリブルとか、キレの部分はデカイ相手になおさら通用する。それが、(強豪の)レンジャーズ相手でも通用したので、ドリブルとか自分の形に入ったら『いけるな』というのは感じましたね」

 ハーツに移籍したのは8月30日。翌日の同31日には第4節ハミルトン戦(2-2)で即メンバー入りを果たすと、前半29分に負傷したFWヘンダーソンに代わって急遽出場を果たした。9月14日の第5節マザーウェル戦(2-3)では初ゴールをマーク。0-2とビハインドで迎えた後半11分から途中出場し、1-3の同41分、待望の瞬間が訪れた。敵陣のアタッキングサードで味方の競ったこぼれ球を拾った食野は、反転して味方へ縦パス。ダイレクトヒールのリターンを受け、そのままドリブルでペナルティーエリア手前まで迫ると、敵と対峙するなか、細かいボールタッチからヒールで巧みに右に持ち出し、ペナルティーアーク付近から右足を一閃。低空のシュートはゴール前でワンバウンドし、相手GKマーク・ギレスピーの手を弾いてゴールネットに突き刺さった。鳥栖戦のように食野“らしさ”が詰まった一発となった。

「ハーツでは『らしいゴール』、日本でも取っていたようなゴールを取れたから、自分の強みがさらに通用すると思いました。そこをもっと伸ばせたらもっと上に行けると思う。伸びしろ、成長できるなというのは海外に行って感じています」

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