ドイツ古豪に勝利の女神は微笑むか ブンデス“入れ替え戦”を巡る「運命の最終決戦」

最終節を前に4位に転落したブンデスリーガ2部のハンブルガーSV【写真:Getty Images】
最終節を前に4位に転落したブンデスリーガ2部のハンブルガーSV【写真:Getty Images】

ハンブルガーSV監督も嘆き節 「サッカーの神が我々の側にいないのでは…」

 象徴的なのは、昇格を争うシュツットガルトとの直接対決だろう(第28節)。2-0とリードしていながら、日本代表MF遠藤航のゴールで相手に反撃の糸口を与えると、勢いに乗ったシュツットガルトの攻勢を抑えることができず、後半アディショナルタイムの失点で2-3の逆転負けを喫した。

 さらに前節では4位だったハイデンハイムとの直接対決も落としてしまう。先制点を決めたのはハンブルガーSVで、試合内容も悪くないのだが、後半途中からはピタッとその流れが崩れる。引き分けで終えたら少なくとも3位の座をキープすることができたのだが、1-1で迎えた後半アディショナルタイム5分に、ハイデンハイムが今季ベストゴールクラスの得点でなんと逆転に成功した。

 最終節を前に4位へ転落してしまっただけに、ヘッキング監督は「我々は昇格するのにふさわしいクオリティーを誇っているし、それだけのパフォーマンスを見せてきている。とうに昇格を決めていてもおかしくないくらいだ。それだけに消化するのが難しい。サッカーの神が我々の側にいないのではないかのようだ」と嘆く。

 最終節でザントハウゼンに勝利し、ハイデンハイムが首位ビーレフェルトと引き分けか負けると3位に浮上することはできる。こちらもまずは勝たなければ話にならない。ブレーメンもハンブルガーSVも、あとは神のみぞ知る、だ。

 追い込まれたドイツの古豪のどちらかに、あるいはどちらにも勝利の女神が微笑み、入れ替え戦出場のチケットを手にすることはありうるのだろうか。可能性は限りなく低いが、もし両クラブによる入れ替え戦が実現となったら、ドイツのサッカーファンは大興奮で注目するはず。ブンデスリーガも残すところあと1試合、果たしてどんなエンディングが待っているのだろうか。

(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)


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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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