J最多ゴール男の真骨頂 ゼロックス杯で佐藤寿人が示した色褪せない決定力

G大阪の日本代表守護神の牙城破り、決勝弾

 Jリーグ開幕を告げる恒例のゼロックス・スーパーカップは20日に行われ、昨年のJリーグ王者のサンフレッチェ広島が3-1で同天皇杯王者のガンバ大阪を下し、2年ぶり4度目となる同大会優勝を果たした。殊勲の決勝ゴールをマークしたFW佐藤寿人は「いい弾みになる」と今季1冠目に手ごたえをつかんでいた。

 降りしきる雨の中で行なわれた一戦は、広島のゴールゲッターが試合を動かした。後半6分、右サイドでフリーになった日本代表DF塩谷司がアーリークロスを上げると、佐藤がその真骨頂を発揮する。G大阪の日本代表DF丹羽大輝、今野泰幸の間に巧みに入り込むと、GK東口順昭が飛び出した鼻先で見事に左足ダイレクトで合わせ、ゴールネットを揺らした。圧倒的な得点感覚は健在だった。

 卓越したオフザボールの動きで奪った、寿人らしさを濃縮した一撃に触れられても、殊勲の背番号11は謙虚な姿勢を崩さなかった。

「シオ(塩谷)と良いイメージの共有ができたので、いいアシストをしてくれたシオに感謝したいです」

 パスの出し手がいてこそ自らが得点を奪える。J1通算157得点で昨年11月に中山雅史氏の持つJ1最多ゴール記録と並んだ名ストライカーは殊勝に語った。

 しかし、先制点を挙げるまで、広島は決して思い通りのゲームプランだったわけではない。昨シーズンの公式戦で5度対戦したG大阪の対策もあってか、決定機をなかなか作り出せなかった。その状況、サンフレッチェの象徴とも言える佐藤の一撃が破った。

 

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