日本人アナリスト、ドイツ3部での挑戦 “監督業”への夢につながる「映像分析」の技術

将来へつながる大事なステップ 「情報は常にアップデートしていきたい」

 将来的には監督として戦っていくことを思い描いている浜野にとって、アナリストとして奮闘する今は回り道でもなければ、腰掛けの仕事でもない。すべては将来へとつながる大事なステップであり、貴重な学習機会なのだ。

「僕はずっと、なんでもできる人になろうと思っているけど、でも全部中途半端というのはすごく嫌なんですね。将来自分が監督になった時に、どんなことができるだろうって。だから今、どんな分析ソフトがあって、どんなことができてという情報は常にアップデートしていきたいなと思っています。例えば今まで選手に紙に書いたり、戦術ボードを使って説明したりというところに、もっと分かりやすくて、もっと伝わりやすいツールを知っていたら、お互いにとってすごくプラスになるじゃないですか」

 様々な分野で、スペシャリストの存在が必要とされている現代のスポーツのトップシーン。だが、それぞれがスペシャリストであれば良いわけではなく、互いにそれぞれの仕事内容、視点や解釈の仕方などを理解し合うことがとても重要になってくる。そう考えると、浜野のような取り組みや歩みは、それぞれの分野をより密につなぎ合わして、お互いの領域でこれまで以上に質の高い仕事ができるようになるという意味でも、非常に大切なものではないだろうか。

(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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