香川真司、レアル戦の躍動をスペイン記者絶賛 「サラゴサの質を大いに高めている」

「ラジオ・マルカ」のミゲル・アンヘル・トリビオ記者【写真:Football ZONE web】
「ラジオ・マルカ」のミゲル・アンヘル・トリビオ記者【写真:Football ZONE web】

「ラジオ・マルカ」の記者も賛辞 「マドリーのライン間でボールを上手く受けていた」

 だが現地紙は、チーム最多となる5本のシュート(枠内1本)を放った香川の活躍を見逃すことはなかった。スペイン紙「マルカ」は試合翌日の紙面で香川をチームMVPにピックアップし、「ようやくサラゴサに希望をもたらす実力を発揮した」と大絶賛。採点でもMFアルベルト・ソロ、スアレス、ブランコと並ぶチーム最高タイの2点(最高3点)をつけ、スペイン紙「AS」も香川にチーム最高タイの2点を与えている。

 試合後、「ラジオ・マルカ」のミゲル・アンヘル・トリビオ記者に話を訊くと、レアル戦の香川のプレーについて「いいプレーだったと思うよ。マドリーのライン間でボールを上手く受けていたし、(0-1で負けている時に)同点にするチャンスもあったしね」と、素晴らしい動きを見せていたことを強調した。

 そして「彼が高いクオリティーを備えているのは事実であるし、ヨーロッパでの経験が豊富だ。セグンダ(2部)はどのチームもゴール前を固め、プレスがとても激しく、考える時間を与えてくれないので、見た目よりとても難しいが、彼はサラゴサの質を大いに高めているよ」と、その実力を認めていた。

 香川は今シーズン、フィジカル面で問題を抱えることが何度もあり、安定したプレーを欠いていること、そしてスーパースターとして迎えられた入団時の期待に上手く応えられていないことが、現地メディアに指摘されてきた。しかしここ2週間、国王杯でマジョルカ、レアルとリーガ1部の2チームと対戦した姿を見る限り、そのようなことは全くなく、チームの中で自らの持ち味を最も発揮していた選手だったように思えた。レアル戦でのパフォーマンスが、まだ始まったばかりのシーズン後半戦に向けて大きな可能性を感じさせるものになっていたのは間違いない。

 順位によってはプレーオフまである長丁場のリーガ2部。1部昇格への道のりは非常に険しいが、香川が格上相手に示したパフォーマンスを今後も継続できることを大いに期待したい。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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