香川真司と久保建英、“スペイン初対決”の明暗 「サラゴサの祝祭」で上げた復活の狼煙

香川は前半にクロスバー直撃の強烈FK 「惜しいだけで済ませたくない」

 試合開始から主導権を握ったのは、前線から激しいプレスをかけたサラゴサだった。一方のマジョルカは後方で少し待ち構え、カウンターのチャンスを窺う展開となった。そうしたなか、前半8分に判定に不満を述べた香川など3選手にイエローカードが出されたことで、会場は一気にヒートアップし、観客は主審に大ブーイングを浴びせた。

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 4-2-3-1のトップ下でプレーした香川は前半、マジョルカの最終ラインと中盤の間に入り意欲的にボールを受けに行った。チームのパス回しに頻繁に絡み、前半23分にはゴール正面からのFKをクロスバーに当てる惜しい一撃を放った。香川は試合後、そのことについて「惜しいだけで済ませたくない。もう、その時間は通り越している。悔しいが、次取るしかない」とゴールできなかったことを悔しがった。

 一方の久保は、チームがサラゴサのハイプレスに苦しんだことにより、守備に回る時間が多く、普段とは違うメンバーでプレーしたため、連係も上手くいかなかった。唯一、前半終了間際に持ち味のドリブルでチャンスを作るも、久保のパスをゴール前で受けたDFババ・ラフマンがトラップに失敗し、得点につながらなかった。

 後半に入ると、3分に香川がゴールを演出する。ゴール正面での巧みなトラップから素早く右サイドにはたき、MFアレックス・ブランコの先制点をお膳立てした。試合後に香川はこのプレーについて、「上手く間に入って受けて、いい流れでゴールにつながったので、ああいう形を増やしたい」と振り返っている。

 久保も後半、ボールタッチ数を増やして攻撃の起点となり、7分には右サイドでDFジョアン・サストレに絶妙なタイミングでパスを送り好クロスにつなげたが、マジョルカ初スタメンとなった新加入MFアレハンドロ・ポソのヘディングシュートは枠を捉えられなかった。

 その2分後、完璧なカウンターからサラゴサFWハビ・プアドに決められて2点差になると、マジョルカは攻撃の駒を次々と投入して打開策を見出そうとしたが、戦況を変えることはできなかった。25分過ぎからは大雨が降り始め、久保はポジションをいつもの右サイドハーフに移したが、守備に追われる状況は変わらない。

 後半30分にサラゴサFWミゲル・リナレスに決められ0-3。同40分にマジョルカMFアレイシュ・フェバスが一矢報いるゴールを決め、同43分には久保のパスからFWアブドン・プラッツにシュートチャンスが訪れたが、それ以上スコアは動かなかった。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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